最悪の一週間だった。会社に泊まり込むほどの激務。転職活動も進まない。打ち合わせに出かければ交通事故に巻き込まれる。煮詰まる仕事。突然の停電。恋人との別れの危機。この一週間を乗り切れば事態は良くなると信じて奮闘する吉川の耳に、同じ一週間を繰り返しているのだと後輩が告げる。タイムループから抜け出す鍵は部長にあるのだと推測した吉川たちは、まずタイムループに気づかせるために上司にプレゼンを繰り返す。

 上がっていく仕事の精度。習得されていく個人スキル。それでも繰り返される同じ月曜日からの一週間。やがて部長が若い頃に描いていたマンガを完成させることが70回以上繰り返すタイムループから抜け出す術だと気づいた彼らは仕事もそこそこにマンガを清書していく。

 友達ではない誰かとひとつのものを創り上げていく中で生まれる摩擦と仲間意識と信頼関係。学園祭の準備をしているかのような愛おしさがそこにはある。

 この映画は報われない日々を送る全ての人への応援歌でありながら、完成することの叶わないままに葬られた数々の秀作マンガたちへのレクイエムにも思えるのだ。


『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』

竹林亮監督

夏木さえり脚本

STORY BY TAKE C

2022年 PARCO