出版を目指す方から多い質問が
「自分の強みは言語化できたけれど、
そこから出版テーマにどうつなげればいいですか?」
というものです。
強みをテーマに変えるプロセスに悩む人は非常に多いのが現実です。
前回は「強みの言語化」についてお伝えしました。
今日はその強みをテーマへと育てる方法を深掘りします。
著者性=強みを、どう出版テーマに落とし込み、
どう磨いていけば「通る企画」になるのか?
今日は、27年間の出版の現場で見えてきた、
テーマを磨くための“5つの質問”をお届けします。
これらの質問に答えるだけで、
テーマの輪郭が自然に浮かび上がり、
企画が一段階強くなります。
✅ 定義
テーマは“磨く”ものであり、
いきなり決まらない
出版テーマは、突然ひらめくものではありません。
むしろ、企画書を出した後の“対話”と“整理”の中で、
少しずつ形が整っていくもの。
実は、最初に決めたテーマがそのまま本になるケースは稀です。
編集者と話すうちに、
「読者の悩みのどこに焦点を当てるのか」
「著者の経験のどの部分が響くのか」
「どの棚に置くと読者が手に取りやすいか」
という視点からテーマが磨かれ進化していきます。
■ 実例:テーマが“磨かれて変わった”ケース
ある著者は、
最初に「自己肯定感を高める本」
として企画を持ち込みました。
しかし、編集者との対話で
「自己肯定感はいつ下がるのか?」
「具体的にはどんな場面か?」
と深掘りしていくうちに、
著者が最も苦しかったのは
“朝起きた瞬間に不安で動けなくなる時間”だと分かりました。
この気づきからテーマは、
「朝の不安を整える本」へとテーマが絞られ、
編集者から「これなら棚が見える」と高く評価されました。
テーマとは、
強み × 読者の悩み × 市場性
が重なったときに初めて輪郭が見えるもの。
だからこそテーマを磨くには、
ポイントを絞る“質問”が最短ルートになるのです。
✅ ワーク
強みをテーマに変える
「5つの質問」
質問①:私は“誰の悩み”を一番理解しているか?
【読者像を一点に絞る】
テーマがぼやける一番の原因は、
“読者が広すぎる”こと。
読者像は、「働く人」でも「女性」でも広すぎます。
-
過去の自分
-
周囲からよく相談される人
-
あなたが深く向き合ってきた層
ここにヒントがあります。
迷ったら「過去の自分」を読者に設定するのが最強です。
質問②:その読者の“どの悩み”を本気で解決したいか?
【テーマの芯を決める】
悩みは“抽象”だとテーマもぼんやりし、
読者の心に届きません。
悩みを“場面”で切ると、一気にテーマが明確になります。
-
朝の不安
-
子どもに怒りすぎてしまう夜
-
通勤前の自己否定
-
仕事の人間関係で自信を失う瞬間
悩みを具体化した瞬間、
テーマは読者の“生活の導線”と結びつきます。
質問③:私の経験の“どの部分”が悩みと最もつながるか?
【強みとテーマの接点を見つける】
あなたの強みすべてがテーマにつながるわけではありません。
「読者の悩み」と「あなたの経験」の
最も深く重なる部分だけを切り出すことで、
テーマに芯が生まれます。
-
転職を繰り返した → キャリア不安に寄り添える
-
子育てで悩んだ → ママの自己肯定感を支えられる
-
心の不調を経験 → 朝の不安を整える視点が書ける
“経験の一部分”に焦点を当てるとテーマは一気に強くなります。
質問④:既存本の“どこが空白”になっているか?
【差別化のヒントを見つける】
類書調査は「競合を分析する」ためではなく、
“棚のどこが空いているか”を知る作業です。
-
お金本 → 「40代女性×これからの不安」が少ない
-
片づけ本 → “心の回復”に焦点を当てた切り口が少ない
-
メンタル本 → “朝の不安”に特化した本が少ない
既存を否定する必要はなく、
“補強”すればいいのです。
「棚の空白」を埋める企画は、
編集者が最も評価します。
質問⑤:このテーマを“一行で言える”か?
【テーマが磨けたかの最終チェック】
テーマが磨かれている企画ほど、
一行で言えるようになります。
例:「自己肯定感が下がった40代女性が、朝の不安を整えられる本」
一行に凝縮できるということは、
読者・悩み・解決が明確に揃っている証拠。
編集者が出版会議で使うのは、この“一行”だけです。
✅ 条件
出版に強い“磨かれたテーマ”の条件
テーマが強くなると、以下の5つの条件を満たし始めます。
-
読者像が明確
-
悩みが具体的
-
著者の経験と自然につながる
-
棚の空白を補う切り口がある
-
編集者が“一行で説明できる”
深いテーマほど広げない。
絞られたテーマが読者の心に届き、企画が前に進みます。
✅ 成功事例
テーマ磨きの成功例
(A・B・Cさんの実例)
■ Aさん:
テーマが広かった → “朝の不安”に絞って前進
最初は「不安に悩む人の本」という広いテーマでした。
しかし、著者自身が一番苦しかったのは
“朝起きた瞬間の不安” だと気づいたことで、
「朝の不安を整える本」へと明確化。
編集者から「これなら棚が見える」と評価され、
一気に前へ動きました。
■ Bさん:
読者像が曖昧 → “働き方に迷う40代女性”に絞り通過
最初は「働く人すべて」が読者像だったため、
テーマがぼやけていました。
しかし、著者が最も寄り添えるのは
“働き方に悩む40代女性”。
読者像をここに絞ると、
企画は驚くほど強くなり採用。
■ Cさん:
経験が抽象的 → “一行で核がまとまり”採用へ
肩書きに頼っていた初期段階から、
人生の転機や失敗、
回復プロセスを書き直したことで、
伝えたい核が一行に凝縮。
「働き方で自信を失ったときに立ち直るプロセスを伝える本」
として採用されました。
✅ まとめ
テーマは“磨く”ことで輝き出す
テーマはひらめきではなく、
強み × 読者の悩み × 棚の空白 をつないで磨いていくもの。
明日は、「テーマから章立て(構成)を作る方法」について解説します。
あなたのテーマが、
一冊の本へと形づくられていく時間になりますように。
※2026年4月から、
noteで出版メンバーシップ(出版塾)を設立予定です。
どうぞお楽しみに。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
今後も有益な情報を発信していきますので、
応援よろしくお願いいたします。
✅プロフィール
本を33冊書き、
累計430万部の本を売ってきた 出版プロデューサーの西村真紀です。
出版の実務と「40代からの諦めない人生」をnoteで綴っています。
出版ロードマップ https://note.com/maki_nishimura/n/n87ded8b6db46
40代からの諦めない人生(もうひとつのnote) https://note.com/novel_weasel1557
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