ネタ元は週刊文春のスクープ記事です。

午後になって後追い記事が報道されていますから、このスクープはかなり本当だということがわかります。
TBSは球団経営に参加してからたったの9年で手放すという報道がされることになっちゃいましたね(>_<)
ワタクシは以前在籍していた会社がプロ野球チームをグループ会社に持っていたこともあって、球団経営ネタには興味津々です。
ベイスターズ売却の背景には、①年間20億円の資金援助、②ジャイアンツ戦の視聴率低下や③横浜スタジアムの高い使用料がネックとの解説がされていますが、これらはいずれも理由として挙げるのにはかなり弱いです。
年間20億円というと高額なような気もしますが、プロ野球の場合はすべて広告宣伝費として経費処理できます。
ま、TBSは連結赤字状態ですので単年度では赤字なのですけど、赤字は繰り越せますので、TBSとしてはそれなりのメリットはあります。
だいたいパシフィックリーグなんかほとんどがそれくらいは負担してますからセントラルリーグの球団のイイワケとしてはちょっと...。
ジャイアンツ戦は地上波ではほとんど放送されなくなりましたけど、そもそも他球団をアテにするこ自体経営戦略としては失格でしょう。
横浜スタジアムについてはちょっと深刻です。
球場問題については後でくわしく。
なんだかんだ言っても結局は球団経営の「やる気」の問題でしょう。
そうでなければ球団を経営して9年間で最下位7回!

それにこんな報道がされてしまったらもうダメです。
新しく球団経営が成り立つ方法を考えるべきタイミングなのかもしれません。
考えられる経営再建プランとしては、
①新潟移転
②チーム名称の変更
③ファーム施設の温存とチーム名(湘南シーレックス)の存続
の3つを実行できれば、既存のベイスターズファンの支持も得られ、コスト面でも最少で最大の効果が得られるものと考えられます。
すでに予測報道がされていますが、球団誘致に積極的な新潟に移転ことは有力な方法です。
プロスポーツ興業には地元の熱心な支援が不可欠です。
それは札幌に行ったファイターズの例を見てもJリーグを見てもよくわかります。
新潟には2009年にできたばかりのスタジアムもありますし。

新潟にはアルビレックスの実績があります。
ま、観客動員に地元サッカー協会の無償ボランティアを大動員しているというウラの理由も大きかったですけど^^;
アルビレックスはバスケットや野球独立リーグも同じニックネームで統一していて、地元では一定のブランド価値も期待されます。
ベイスターズも、ぜひ「新潟アルビレックス」という呼称にすべきです。
ひとつネックがあるとすれば、独立リーグのチームがすでにあることでしょうか。
いくらリーグが違うといっても名前が一緒じゃねー(*_*)
でも地元でのゲーム開催にはアルビレックスの力は必須条件だと思います。
現在横須賀にはファーム用に横浜ベイスターズ総合練習場というグラウンドや室内練習場があります。
これまで移転することは負担が大きすぎるでしょう。
現に仙台のゴールデンイーグルスはファームの寮や練習グランドをすべてそろえるまでたしか丸一年かかってしまっていました(wiki:楽天イーグルス泉練習場)。
ですので、ファーム施設はこのまま神奈川県に残すことが賢明と思われます。
それに一度廃止が決定している湘南シーレックスをそのまま存続させて、横浜スタジアムでゲームを行うことも検討すべきと思います。
チーム名称廃止には地元でも抵抗が強かったですし、収支は別にして地元密着志向のチーム運営は高い評価を得ていたと思います。
メジャー(一軍)とファームが別の場所にあるのはファイターズで前例があります。
フランチャイズは札幌ですけど、ファームは千葉県鎌ヶ谷市にホームグラウンドがあります。
関東ではパシフィックリーグのゲームが多いこと、イースタンリーグの遠征の費用や時間を節約するために、鎌ヶ谷のままとなっています。
もちろん寮や室内練習場も同じ場所にあります。
さて、ベイスターズがマルハ→TBS・TBS→?と2度にわたって球団売却の対象となってしまった大きな問題として、球場問題があると思います。
市内の中心部にあり、敷地は公園の中。
1978年に完成したときは日本初の多目的スタジアムとして注目された横浜スタジアム。
でも施設や立地、経営方法といった一見見えずらい部分が大きな影響を及ぼしています。
株式会社横浜スタジアムという第三セクターが経営しています。
その分大株主が分散しすぎていて、球団の意向が反映されずらいきらいがありました。
大株主といっても、メディア各社(TV朝日・TBS・CX)、それにベイスターズ球団や横浜市がそれぞれ6%くらいしか持っていません。
地主の横浜市や球団を除くと、いずれも中継はしたいけど球場施設を良くしたいとか地元の発展を考える会社ではありません。
人工芝を張り替えてからは、ジマンの可動式の内野スタンドも使えなくなってしまっていますし、TUBEの夏のライブを別にすれば今ではほとんど野球にしか用途はありません。
だから運営会社の収入が年間35億円程度にしかならないのでしょう。
これが100%自治体所有であれば、球団が指定管理者となって施設を改善していくこともできたのでしょうけど...。
横浜スタジアムは㈱横浜スタジアムが指定管理者となっていますけど...。
プロ野球では、オリックス野球クラブ㈱がスカイマークスタジアムの指定管理者となって、内野の総天然芝化、フィールドシートの新設、売店の充実などの実績を残しています。

近くの日産スタジアムもマリノスが指定管理者となっています。
ちなみにメジャーのBallParkはほとんどが自治体の所有で球団が施設運営の責任を持って魅力的な運営をしています。
球場としての欠点もあります。
横浜スタジアムは両翼94.2 m・中堅117.7 mとプロ野球のフランチャイズとしては狭く、国際ルールには合っていません。
同じように狭かった神宮や西武ドームは外野席を削ってフィールドを広げています。
横浜もフィールドを広げる必要があるのですが、ご覧のとおり球場は横浜公園の中にありますし、建ぺい率の問題で増築や拡張はこれ以上不可能です。

それに外野フェンスがすでに5mの高さがあるので、これ以上外野席を広げることは難しいでしょう。
メジャーリーグで最近盛んに行われた球場新築ブームは、みな中心部であるダウンタウンを最開発して、その中の一区画を球場にあてています。
だからみんなフィールドが四角くて左右両翼のサイズが違っていたりするのですが...。
横浜公園もいっそのことすべて球場敷地として新築するくらいのことができれば問題は解決するのでしょうけど。
でもなぁ横浜の中心部は公園がそもそも少ないしなぁ~(>_<)
ダメダメですねぇ。
それに敷地が狭いためにスタンドの傾斜がきつかったり、スコアボードが外野フェンスぎりぎりに設置されているためレフトとライトの行き来ができなかったり、そもそもバックスクリーンがない構造なのでホームラン判定が難しいといった構造的な短所を新築当初から抱えているのです。

横浜市は、プロ野球チームがいる一流都市という評価をこれからも得たいのであれば、球場問題の解消は最低必要条件でしょう。
マリノス命でいくのであれば別ですが。