


先週でドラマ 「不毛地帯」 が終わりましたね。

原作を読んでいたこともあって、2クールという長いドラマでしたけど、きっちり見てました。
骨太の良いドラマでした。
主演の唐沢寿明サンが大好きな俳優サンだったこともありますね。
彼のようにアタマの回転が速くて、joke大好きで、今回のようにシリアスな役から有頂天ホテルのようなコミカルな役までこなせる守備範囲の広さは魅力的ですねー。
ご存じのとおりこのドラマのモデルは伊藤忠元会長の瀬島龍三サンであることはよく知られています。

彼のキャリアのこのとおり、戦前戦後を通じて日本をリードしていた存在といえるでしょう。
当時のスーパーエリートが集まる陸軍大学を主席卒業。
陸軍の中枢にいながらシベリアに11年も抑留されてしまう。
帰国後47歳で伊藤忠商事に入社、20年後に会長に就任。
日本のブレーンとして国鉄や電電公社の民営化などにも大きな影響を及ぼしていたことも周知のとおりです。
でもね。
この作品の原作者は山崎豊子サンですからね。
もちろん、日本アカデミー賞を取った「沈まぬ太陽」(そのときのblog)もそうですけど、原作者が誰かということとその作品の出来は全く関係ありません。
でもね。
やっぱり彼女の虚実を取り交ぜすぎる姿勢はいかがなものかと思います。
瀬島サンはあんなヒトだったんだぁーと思わせてしまいます。
「沈まぬ太陽」もそうですけど、主人公を美化しすぎ(>_<)
ただそれは瀬島サンにも責任があります。
彼はついに自伝や日記を残しませんでした。
そういったものを残すのは、その時代の中心となって国を動かしていたヒトの責任です。
欧米では、それなりの政治家や実業家はみな自伝や日記を遺しています。
死後に歴史家のキビシイ評価を受けるためです。
明治維新でも、その手紙や日記が大量に遺されていたからこそ、今に生きるワタクシたちは、詳しくその真実を知ることができたのです。
残念なことに、最近の日本では隠すばかりになってしまったように思えます。
でなければ日米安保のようにたった50年前のことですらナカナカ出てこんし(>_<)
だからこそ、瀬島サンにもそういったモノを遺していてほしかったと思います。
歴史がみなの興味を惹くのは、一段上の立場からそのときに行われたことやその時代をリードしたヒトの行動を俯瞰するように見ることができるからです。
いわば誰もがその時代の神様になることができるからと言い換えてもいいでしょう。
でもそれは、きちんとした証言や資料が遺されていることが前提です。
瀬島サンが、どちらかというとうさんくさい目で見られがちで、決して尊敬を受ける存在になりえないのは、そういった点にもあるのかなと思います。
その時代をリードしたヒトには、亡くなったあとにもそれなりの責任があると思っています。
今日の相田みつを
「けれど
けれどで
なんにもしない」

これまたよくあることですね。
凡人のワタクシにはホント耳がイタいです(>_<)