アラカン『おひとりさま』修行中

Yuki姐 です

 

好日の日々をノンフィクション

(多少の脚色はアリ)

で記録しています

 

時々、愛犬…

たまに経過観察途中経過…あり

 

****

 

2020年9月〜2021年9月までに

起こったコト

(主に『膠原病』『乳がん』との生活)

の記録

前癌後日々是好日

〜59歳怒涛の1年〜

 

 

3月8日(火)外はすごく寒いその上雨。

 

 

…続き

 

 

I先生のはじめの患者さんの番号が呼ばれて、次に呼ばれる患者さんの番号が点滅していたのにしばらくしたら点滅していた番号が消えた。

 

そして345番が点滅した。

 

9:25。 

 

はやっ!事前予約と変わらないじゃない!もしかして割り込ませてくれたの?

 

 

診察室前で立って呼ばれるのを待つ。

 

呼び出しの放送が終わらないうちにノックして入室する。

 

Y「おはようございます。すみません、先生。突然来ちゃいまして…」

 

あら?先生…なんか今日は雰囲気が違うのは…あ。わかった。防疫シールド(メガネ)をかけてる。なんで?今更…。

 

I「ははは。どうしたの?腫れたって?」

 

Y「そうなんですぅー。」

 

そして本当ならここまで大袈裟にするような感じじゃなかったのかもしれないけど、近所の内科が『診てくれなかった』から仕方なく来た…と言うことを、相当ネチネチと訴えた。

 

I「ここの大学出身なら、大学病院がどんなシステムか?わかっているはずなのにねぇ。」

 

Y「忘れちゃったんじゃないですかね…。昔のことで。」

 

I「うん。まぁ、じゃあ診ようか…ん?どこ?」

 

Y「え?わからないか…ココです。」

 

そう言って左の耳の下を先生の方に向けるように首をひねる。

 

Y「始めはココとアゴと首も『ボコっ』って腫れてたの。」

 

I「うーん。どれ…ちょっと触っていい?」

 

Y「(きゃあ…触るのぉ?)ど、どうぞ。」

 

そう言うと机の上の消毒液をワンプッシュして手にすり込み両手で両頬を包み込むように当てると指の腹で耳の下のリンパの辺りをそっと押した。

 

I 「ここかぁ。痛い?」

 

Y「うーん…ちょっと。」

 

I「ここは?痛い?」

 

 

Y「いや。そうでもないデス。」

 

強弱をつけて押したり少しづつ場所を変えたりしながら首のリンパの辺りまで腫れがないかを確かめて…。

 

I「うん。可能性は2つある。」と言った。

 

ひとつはシェーグレン症候群の症状の耳下腺炎。

これは唾液が井戸水のように湧いてくるのに汲み上げるところが炎症を起こして細くなり、どんどん湧いてくる唾液が出ることができずに耳の下に溜まって腫れる。

 

I「その場合はステロイドをちょっと多めに投与して抑えるんだけど、このぐらいの腫れじゃあないんだよね。もっと腫れて痛いんだよ。」

 

もうひとつは耳下腺に石が詰まって腫れる場合。

コレは耳鼻科の領域だけど…これもこの程度なら多分違うと思う。

 

もうひとつ(あ。3つ目だ)は耳下腺炎=おたふくかぜ。

I「でも、コレが1番違うと思う。まず、熱が出ていない。それにおたふくの場合はこんなもんじゃないからね。もっともっと!腫れて痛いし、ここも熱を持つし。だから違う。」

 

Y「そうよね。でも私、喉痛いし…咳も突然出たりするんだけど…」

 

I「はは。もしかして『コロナ』なんじゃないの?」

 

Y「ええっ? でも、熱ないし…軽い風邪かと思ったんだけど。」

 

I「いや。熱、出ないから。オミクロン…。ボクかかったからね。」

 

Y「へ?先生、コロナになったの??」

 

I「それがさぁ…。日曜日だったんだけど。ちょうど仕事があって大学病院にいて、子供が熱出したって、電話で。」

 

(あ。先生…お子さんいたんだ。そりゃそうか…)

 

I「1人出たと思ったらすぐにもう1人も熱出したって。それでその日は仕方ないからホテルに1人で泊まって…」

 

Y「お子さんは?小学生?」

 

I「そう。ちょうど学校で出始めたっていう連絡があったって。でも、子供はすぐに熱が下がるからコロナかどうか?確認しないで熱が下がったら学校にいっちゃうんだよね。みんな共働きが多いから休んだって言っても見てられないんだよ。でも日曜日だったからとりあえず休みだったし…ボクだけうつったらまずいからホテルで隔離。大学でPCR検査してもらわないといけないことになって、それが火曜日だって。だから月曜ホテルに缶詰で。子供は月曜日には熱も下がってたけど、とにかくPCRで確認してからでないと病院に出勤できないから。」

 

Y「先生は熱出なかったの?いつうつったんだろう…。」

 

I「それがさぁ。火曜日に子供たちと奥さんと接触しないようにPCRを受けたら…『全員陽性です。』って。そこから9日間隔離だよ。でも、ボクは全く症状なし。子供たちも日曜日の夜に39℃近くの熱を出したけど、翌日には下がって…。全然元気!火曜日に全員陽性がわかって4人で家で、毎日朝からチャンバラだよ…。大変だった…。」

 

『チャンバラだよぉ…大変だった。』

がちょっとウレシそうだった。

I先生もお父さんだったんだ。

なんだかとっても優しい気持ちがした。

 

Y「先生、大変だったね。あ、大変じゃなかったか…症状なかったんだし。」

 

I「だからね。もしかしたらコロナになっている可能性も、ある。」

 

Y「でも、だったらどうすればいいの?PCRしてみる?抗原検査?」

 

I「いや。もしなっていて他の症状がなくて耳の下が腫れているだけなら特に何かすることはないなぁ。」

 

Y「シェーグレンのせいだとしてもステロイドするほどじゃないんでしょ?」

 

I「うん。この程度ならね…こうして耳の下を優しく揉んで…。」

 

Y「揉んで?いいの?」

 

I「そうすると多分小さくなってくると思う。痛くない程度にね。」

 

Y「薬は?必要ないの?」

 

I「痛いなら鎮痛剤を飲んでいいよ。出そうか?」

 

Y「カロナール。前にもらっていっぱいあるんだけど…」

 

I「何ミリ?うちで出した?」

 

Y「何ミリだろう…200だったかな?多分乳腺で出してくれた気がする…」

 

I先生がカルテに残っている処方箋を見て…

 

I「ロキソニンばっかりだなぁ(笑)」

 

Y「ロキソニンも多分あると思うけど、コロナのワクチン3回目で熱出たらカロナールを飲んで!ってT先生に言われたからたくさんあるの確認したのよ。」

 

I「カロナールでいいよ。でも、カロナールは弱いんだよ…。」

 

そういうとプリンターから紙を一枚抜いて…

 

 

I「カロナールは1日4000mgが上限。」

 

え?そんなに飲めるんだぁ…。

 

だから1錠がナンmgか?によってどのぐらいまで飲めるかを説明してくれた。

 

Y「でも、痛くなければ飲まなくてもいいのよね?」

 

I「もちろん。痛くなければ飲む必要はないよ。ただ、痛いのを我慢することはないから…我慢しがちでしょ?(笑)」

 

Y「うん。できれば飲みたくないからね。でも今回は昨日までは触っちゃいけないのかな?冷やすのかな?それともあっためる?とか。どうしたらいいのかわからなかったから痛い気がしたけど、さっき先生が触った時に痛くなかったから、痛くないっ!」

 

I「ははは。そう?じゃあ飲まないことに越したことはないね。」

 

そう言うとパソコンに診察記録を打ち始めたので少しの間、黙っていた。

 

そうか…アイシールド(メガネ)はコロナに感染したからなのか…。

先生もお父さんだった…奥さんもお医者さんなのかなぁ…共働きって。

本当に最近の人たちはお医者さんでも『共働き』が当たり前なんだな。

 

Y「先生。コロナワクチン3回目はどうしたらいい?私は左側しか打てないけど左側が腫れたから…大丈夫かなぁって。」

 

I「うーん。問題ないと思うけど、腫れがひいてからの方がいいんじゃない?でもこのことがワクチンの副反応に何か関係あるかっていうと、それはわからないから。熱は出る人は出るからね。ボクは受けちゃだめ!って言えないな。」

 

Y「ってことは、受けても問題ないってことね。ファイザー2回の後のモデルナなんだけど…。熱は出る時は出る。この腫れには関係しないってことね。」

 

I「そうだね。」

 

Y「先生は3回打っても、コロナになったんだよね。」

 

I「ははは。そうだよ。」

 

Y「ふふふ。受けるかどうか、考えるね。」

 

I「さて。じゃあ次回の診察は、どうしようか?」

 

Y「あーそーだ!この間の診察の後に乳腺の診察があって…」

 

乳腺外科の次回の診察は『術後1周年記念』の6月になったこと。

その診察の前に検査(CT、血液検査、エコー)をして、結果を聞くためだけに時間をとるスケジュールにしたこと。

その検査を膠原病アレルギー内科の診察日と同日にしたこと。

その診察日は8週毎のサイクルなので、前回の診察日から数えて16週後に設定したこと。

アレ内の診察時にCTが見られるように朝1番早い予約を取ってあること…を説明した。

 

I「無理無理なスケジュールだなぁ…(笑)じゃあ、ボクは一体何時までに診察が終わればいいってこと?」

 

Y「えーっと。エコーの予約が10:30だから、それまでに終わればいいんだけど。それと、血液検査ももし必要なら(アレ内が知りたい項目)オーダーを足してもらって…って。」

 

I「血液検査の結果はそんなに早く出ないから…じゃあ一応9時にしておいて、結果が出次第ってことで。いいかな?

だったら、次の診察どうする?2月に診て、今日3月にも診た(笑)から次が6月になっても問題ないと思うから。4月に血液検査しなくても急にどうこうするような項目はないし…。キャンセルしようか?」

 

Y「うーん。先生がそういうならキャンセルしてもいいかな。前回の血液検査で気になったところもあったけど、問題ないんでしょ?」

 

I「3ヶ月でどうこうなるようなものではないね。次の血液検査で見れば大丈夫だよ。じゃあ、次は6月にしよう。あ。一応、喉診ておこう。口を開けて…何も吐き出さないでね(笑)」

 

マスクを顎にずらして大きい口を喉まで開けた。息を止めて。

すかさずペンライトで照らして、覗き込んで「うん。」と言ったのでサッとマスクを口に戻した。

 

I「全然喉はキレイ。腫れも赤みもない。大丈夫。」

 

Y「じゃあ、良かった。大したことなくて。すみませんでした。急に割り込んで。」

 

I「はは。大丈夫だよ。急ではあったけど…。それにしても、いつも元気だね。」

 

Y「そうなのぉ。元気なのよ。そうよね。それなのに来ちゃってね。じゃあ、次は6月にね。ありがとうございました。」

 

I「お大事にー!って…元気だもんな。ははは。またね。」

 

 

 

診察時間15分。診察料¥220

 

 

 

大学病院を出てから運転して家に帰る間に耳の下をなでなで。

 

まだちょっと恐る恐る…だけど『恐く』はない。

 

原因もはっきりしなかったし薬も処方されなかったけど、ちゃんと診察してくれて治療もしてもらった。

 

『安心』という治療。

 

 

コレぞ!お医者さん!