もう何十年も前に、徹子の部屋にモンゴルからやってきて、当時とても活躍されている男性がゲストに出ていました。
その方は学生の頃から日本に移住し、モンゴルの仲間と住み込みでアルバイトをしながら暮らしていたそうです。
はじめてのお正月、バイト先の人から休むように言われ、食事にはおせち料理を用意をしてもらったそうです。
ただ、モンゴルの方にとって“冷えた料理”を出されたことは、とてもショックなことだったそうです。
まるで軽蔑されたような気持ちになって、ひとく惨めだったと話していました。
私はおせち料理を作ってる時によくこの話を思い出します。
日本人にとっておせち料理はとても心のこもったおもてなしです。
でも彼にとっては、冷めた料理は決して嬉しいものではなかった。
このギャップね。
もちろん番組で話している彼は、もうすでに日本の文化がよくわかっていて、仕事先の人がどれほど自分たちを歓迎してくれていたか、大切にしてくれていたかよくわかると話されていました。
確かに当時は今のように出来合いのものはなく、そのおせちは仕事先の人の手作りだったと思います。
当時の私はテレビを見ながら、お互いの行き違いをかわいそうに思い、彼はなんて辛かったことだろうと想像しました。
でも今はそうは思っていません(笑)
その時知らされるべき事はその時に知らされ、後で種明かしされるべき事は後で種明かしをされる。
たった今起きた出来事は、たった今だけで価値が決まるわけじゃありません。
今とても寂しい気持ちの人、温かい気持ちの人。
みんな繋がっています。
今年は終わりますが、今夜一瞬にして新しい年と繋がりますよ(笑)
今だけを切り取って嘆くべからず。
この先必ず種明かしがあります。
皆さま今年一年も大変お世話になりました。
出会ってくれてありがとう。
逢いたいと思う人が存在してくれることを、心から感謝する年末です。
来年また会いましょうね。
皆さま良いお年をお迎えください。