ほんのたまに、タロットをした後で、お客様の思考が私のなかに入り込んでなかなか出ていかないことがあります。

例えば、自分の気持ちより相手の思いが重要だと考えている人の思考は、常に揺れ動きますから、同じ舟に乗ってしまうと私まで舟酔いのようになるのです。

人の感情や思いによって自分の気持ちが浮き沈みしてしまうという思考回路で生きると、
心は大海原に漕ぎ出でた小舟のように、コントロールを失います。

幼い頃にたくさん片思いをした経験がある人なら、
その乗りこなし方を身につけているのかもしれません(笑)
片思いしてる時は、とにかく相手の気持ちが気になって仕方ないですから。

でもその経験を積み重ねると、こう思ったりしませんでしたか?
「好きなんだから仕方ない」って。
相手がどう思っていようと、私はこんな気持ちなんだから、変えられないんだと腹をくくることがあったかと思います。

そんな時に考えるのは相手の気持ちより、どうして好きになったのかとか、自分がどうしたいと願っているのかなど、
とにかく自分の気持ちの方へ興味を抱いてほしいのです。

苦しさの核の部分に、
「思い通りにしたい」「わかってほしい」「こんなに尽くしているのに」
などの気持ちがないか精査してほしいのです。

もちろんこれは恋愛だけの話ではありません。
人に想いを寄せた時に、自分の気持ちより相手の気持ちの方がずっと気になるといった場合は、
大海原に遭難覚悟で漕ぎ出したと思ってください。

大抵の人は、自分の気持ちはよくわかっている、
よく知っている自分の心を精査する必要はないと思っていたりします。

本当はそんなことないはずです。
相手の気持ちを想像することにかまけて、自分の心の核の部分を見ていません。
そうして我が身を荒海に投げ入れます。

わかるのは自分の気持ちだけと腹をくくり、
静かな海を清々と旅して行きましょう。