最近のビーズクッションって、とってもいいですね。
柔らかすぎず硬すぎず、ぐっと背中や腰を支えてくれて、そんなに大きなサイズでなくても、しっかりいい仕事をしてくれます。
私はモグという名前のクッションが気に入ってます。

緩衝材を人の気持ちを和らげることと繋げて考えてみると、昔はお寺のご住職さんや近所のわけ知りのおばあちゃんが、悩み事や相談に応じてくれて、ことが大げさにならずに済んだ、食い止められた、ということがあったようです。
緩衝材の役目を果たしてくれる人や場所がもっと近所にあったんでしようね。

今はどうでしょう?
既に70歳を超えた私の母親ですら、そういう方のところへ行ってお話を聞いてもらったことはないので、そういった環境はもっと大昔のことか、地域が限られてしまったのかもしれません。

今は体裁とか世間様とか女だったらなど、固定観念の壁が随分低くなり、個人個人の考えを自由に話せるようになっているように思います。

けれどその分、もしかするとひとりひとりの悩みは深くなっているのかも知れません。
好きにしても大丈夫!ってことが増えているわけですからね(笑)
選択肢がいっぱいあると迷いますね。

世間体や固定観念があれば苦しいけれど、自分個人の選択をしなくても済んだとも言えます。
周りもみんな同じような悩みを抱えているから、これは仕方ないと諦めることができた昔と比べると、今はとても自由な選択をしている人がたくさんいるので、なんだか自分だけ勇気がないような気がしたり…考えがまとまらないことが不安になったり…

占いをしてると、私は緩衝材なのかもなぁと思います。

テーブルを挟み、タロットを見つめながら、私の話を聞いている方はみな、自分の過去現在未来を自分のことなのに、すごく客観的に聞いていらっしゃるなと感じます。

こういうことはお友達同士で話しているときには起きないことです。
それだけにタロットを前にすると、特別な時間が生まれると感じます。

客観的になったり、俯瞰をして自分のことから離れる瞬間、人はようやく決断ができるのだろうと思います。

私はタロットをしながら、その瞬間に立ち会えることをとても幸せに感じるのです。

迷っているときは、自分の考えが、くっつきあってぶつかって、答えが出ないのですが、緩衝材を挟むことでそれらがちゃんと離れてくれます。

私はタロット占いでその役目をしてるのかなと思っています。
できればいつかあなたをぐっと支えるいい仕事するクッションになれればなって願っています。