ありがとう「むばたまの夜に降る白雪の月影」 | 加藤真紀子のブログ

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「むばたまの夜に降る白雪の月影」終幕してから1週間が経つ。

ようやく空っぽになっていた頭の中を起動。
数日かけてBlog書いてます。(;'∀')
 
改めまして・・
いっぱい・・・ありがとうございました。
 
 
 

顔合わせで一緒に作品創りを共にするメンバーと出逢い…そこから彼らとのディスカッションの日々が始まった。

イメージを伝えるというのは本当に奥深い。

それぞれの持つ脳の発想力も想像力は違うから、そこから出てくる楽しみもあれば、一方通行のもどかしさもあったり。

だから何度だって話す。

言葉や行動や身体や心を使って彼らとぶつかっていった。

人が考えている事は多様で本当に面白い。

何に悩み、苦しみ、もがき、あがくのか。

次第に一つになっていくメンバー達。

みんないい顔してたな。

 

 

 

今回は橘陽樹という主人公の心の中が主体。

そして恋人の西島葵という女性の想い。

心の中が出てきたり、架空が出てきたり混乱させる事も多かったかと思うけど…
内容はいたってシンプルなもの。
大切な人への想いだったり、人間の心だったり。
それぞれの形や状況があって色々な護りかたがある。
 
本気で誰かを守りたいと思う時…
時に冷静になれないときや周りが見えなくなることだってあるだろう。
どれが正解で不正解なんて…その時、その人の環境、事情もあるから。
 
でも欲が存在するのも確か。
心が壊れるのも確か。
人は毎日頭の中で色々なことを考えている。
楽しいことから意欲、好奇心、情熱、整理。
また、寂しさや虚しさ、葛藤やら屈辱など…。
これもまた人間であり・・生きているうちにしか感じ得ない感情。
 

陽樹の身の回りで起きている記憶が蘇っていく中・・・
架空(来店者)では福井は電車にはねられ、リコは石になった。
矢島の存在が架空となり現れる最初の人物。【福井(来店者)】という存在。
福井は対価として電車にはねられ命を失う。
それなのに矢島という存在は後からも架空人物に変わって何人か登場する。
 
陽樹の記憶が少しずつ蘇る中…
一方で葵も真実を見つける旅に出る。
 
リコの来店以降からは現実で存在する薫子が存在したり・・
ここでも矢島の架空が存在したり、自分自身(陽輝と葵)が闇に襲われている感情が入り乱れていく。
この辺りから葵が向き合う真実と陽樹の記憶が重なりあっていく。
 
こちらの写真↓は葵が真実を見つける旅の道中。通称【闇の森】シーン
真実を知っていく中で自身をも振り返る葛藤だったり・・
 
闇の森で人間の裏表を描いたシーン。
感情一つで人の言葉の伝え方は変わる。
受け取りの捉え方も同様に。
裏の言葉は時にえげつない言葉を使っていたが…
本来・・・そこまで人は思わないと・・・祈りたい。
 
矢島と言う存在が何人にも架空人物として登場したのは・・・
これは陽樹の心の奥底で【矢島】という存在が一番ショックで一番屈辱で一番憎かった心境を表していたりする。
記憶がないだけに陽樹が記憶と一致するまで見ていても混乱させたかと思う。
だけど陽樹の中で大好きで尊敬していた先輩だっただけに憎しみは大きくなったのかもしれない。
実際、矢島の事は殺したい程、苦しかった想いが大きかったのだろう。
 
 
私達が持つ心は自身を決して裏切らない。
表と裏 どちらを創り上げるも自分自身。
心はいつだって自身の為に沢山笑い、感じ、泣き、葛藤し、苦しくなったり、もがいたりする。
いつだって一生懸命に【幸せ】を求めて。
 
 
今回はね、ファンタジー世界観という事もあり、天界の人々や、心の中の人物も登場してきたけれど。
私たちって目に見えないもの…(それは経験だったり、思い出だったり、記憶だったり含めて)沢山の事に助けられて生きているんだろうなって思うんだ。
だから人間って【感じる】【記憶】【夢】などなどが存在するわけで・・。
 
 
主人公が恋人を助けたいという一心で【彼女に心臓を】という想いが描かれているが・・
現実、そんな簡単にいくわけでもない。
奇跡に近いよね。
 
そんな【奇跡】に現れた天界の存在。
 
きっと陽樹はどうやったら彼女を助ける事が出来るのかという想いと、どうしていいか分からない自分の無力に相当な苦悩したのではないかと思う。
リアルでいうと自ら命を絶つという行動に近かったのではないだろうか。
自ら命を絶っても彼女の元へいくはずもない。。本当はね。
 
アシュは主人公・橘陽樹の願いを叶えるために現れる。現実でいうひとときの夢にすぎない。
これも人間の願望かな・・
アシュは願望を叶えるというより、人間の見つめなおしを問う導きに近いのかもしれない。
 
誰かを想う気持ち
誰かを守りたい気持ちは
一体何が正解なのか
 
 
稽古時に陽輝役の賢斗と葵役の有彩に聞いた事がある。
最終的にあなたならどうするのか・・・
葵の願いを叶えるのかどうなのか・・・
稽古途中段階では陽樹は「彼女が幸せに生きてほしい」という願い。
彼女が幸せである為に・・・
彼女の中で彼が(心臓)が生き続ける事か・・
陽樹の記憶は全部消し去る事がいいのか・・
そんな質問をしたら少し沈黙が続いた事がある。
 
葵は「それでも死にたい」と答えた。
最終的に彼等がどのように思っていたのかは敢えて聞かなかったけど。
 
ここに【奇跡】があったなら・・。
ファンタジーの世界観を使ってこの題材を置いてみた。
葵の体の中に彼の心臓が生きている。
そんな奇跡があればどれほど美しいだろう。
 
でもやっぱりね、ファンタジーといえど・・決してHappyであってはいけないと思った。
一筋の光があるとすれば・・
人間の持つ本質の心は…それほどに大切な人を愛する心を持つという事を最後に描いてみた。
 
 
書き出したらきりがないな・・
1本作品を創り終えると完全燃焼してしまう。
気づけば桜も散り始めている。
花見でわいわいという盛り上がった行事はしなかったけれど・・・散歩しながら桜を眺めていた。
 
病院シーンでノルンが桜を見てきゃはきゃはしていた病院での中庭イメージの場所。
遠くから見たらこんな感じ。あの奥に中庭って感じかな。
あの時はまだ咲いてなかったけど満開を私がみておきました。笑
 
今回、むばたま(暗闇)に降る雪は月の光と桜の散る時(生命力)を重なり合わせてラストを描いてみた。
暗闇に静かに眠る陽樹がいて側にアシュがいる。
雪なのか桜なのか・・・ちらちらと舞い降りる月の光。
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桜の満開は始まりのようでここでは終わりを表す。
桜が咲くと・・ひと時を幸せにしてくれる。
桜は一年をかけて温め育て上げる結果。
咲くと同時に散る(終わり)も迫る。
桜が散り、初めて新たなスタートが始まる。
今から立派な葉が生まれ始める。
一年後のこの季節に向けて・・沢山の恵みと温もりをいっぱい集めて・・
ささやかなアシュの人間に対する祈り・・なのかもしれない。

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桜は何度も繰り返し大きくなっていく。
そして私達を魅了させてくれて・・
沢山の事を教えてくれる・・そんな季節のように思う。
 
 
長々と書いてしまった。
最後に・・・
打ち上げでメンバーみんなに届いた一品。
ありがとうございます。
みんなで美味しく頂きました(*'▽')
 
 
 
沢山の出逢い、そして沢山の力を本当にありがとう。