↑Spotifyにて無料で聴けます。



アナウンサー就活生向けのPodcast 新エピソードを公開しました!

それに合わせ台本公開もしていますので
文字で情報を得たい方はどうぞ。



では以下、#22  のPodcast台本です。

#22 年明け早々の緊急特番



2024年になりました。新年も毎週、就活生に向けて「面接官に【伝わる】話し方のコツ」などをPodcastでお伝えしていきます。

元局アナで話し方講師の早坂まき子と申します。
よろしくお願いいたします。



さて新年早々、アナウンススクールで講師を勤める者として触れておきたいことが起きてしまいました。


元日に石川県能登などで最大震度7を観測する地震が発生…
細かな被害や地震後の様子などは、これから時間が経つにつれ情報が更新されて行くと思いますので、このPodcastでは言及しないでおきますね。


私は今回の地震発生時、日本海側とは離れた地域にいたので、それほど揺れませんでした。

ですので、地震発生直後からテレビをつけて各局の緊急地震ニュースをチャンネル変えながら見ていたんです。


色々な局を見ている中で、NHKを視聴していたら
女性アナウンサーが、結構声を張り、真剣な、深刻な、大きめのボリューム、でもゆっくりめなテンポで緊急特番を担当していました。


彼女は
・大津波警報、津波警報、津波注意報が出ている事
・該当地域の方々は避難する事
・身の安全を第一にする事
・余震に気をつける事
・津波は第一波だけでなく繰り返し襲ってくる事
・自宅に引き返さない事
・緊急ニュースを見ている人が率先して周りに声がけをし、逃げる事

などなど…。

中には沿岸地域の方に向けて「テレビを見ていないで、逃げてください!」と強く呼びかけることもありました。




これにはおそらく意味がありまして…X(旧Twitter)にも書いたのですが

【NHKアナウンサーが深刻に声を張ってるのは「あえて」です。3.11をはじめ様々な自然災害をうけて、各局緊急時の呼びかけを深刻に緊急性を伝えるため工夫しているのです。なぜならそれだけ「逃げて!」「命を守って!」って強く言わないと逃げない人もいるから。
救える命を守りたいのですよテレビもラジオもそれが使命だから】


こんな理由があります。

アナウンサーが、丁寧に、優しく声がけする「だけ」では逃げずに被害者が増える恐れもあるから現段階では強めに伝える選択をしているんですよね。


(追加)
※NHKスペシャルでも流れたアナウンサー達の苦悩と会議の様子などはこちらnoteに掲載されています↓



警報が出ていたとしても「うちは大丈夫でしょー」って楽観的になってしまう方もいらっしゃるわけ。それも仕方のないこと。(いわゆる正常性バイアスがかかるって状態ですね)


そんな時、アナウンサーが切羽詰まった雰囲気を醸し出すと(あれ?結構危険なのかな?逃げないといけないのかな?)って気づいてもらえるかもしれないから、語気を強めて、繰り返しアナウンスするのです。


ただ強めの伝え方は
「なんか怖い」「偉そう」「耳がキンキンする」と思われるかもしれません。ストレスを感じるかもしれません、視聴者は。


ですが、数々の災害報道を経験した上で、伝え方の策や案を色々と考慮した結果、あのアナウンスなわけですよね。

それも「現時点」であって、今後また伝え方に変化があるかもしれませんけどね。

でもあの強めなアナウンスは、テンションあがったわけでもテンパってるわけでもないんです。「意味があっての伝え方」なわけです。


テレビ局やラジオ局は、災害時に報道する義務があります。
局のアナウンサーを目指すという事は、今回のような地震や台風、大雨などの自然災害やその他、緊急事態に対応する覚悟を持つということです。
お正月もお盆もクリスマスも予定を返上して、急遽出社したり、現場に駆けつけたりするのは局アナならば当然です。


アナウンサーを目指す方、自分ももしかしたら将来、緊急速報を担当することになるかもしれない…と想定しながら、災害報道をご覧ください。


もちろん入社したら、緊急速報ニュース訓練というのを必ずしますからね。どんな地方局でも絶対やります。
なぜなら地震大国日本なので。
そこは安心してください。


新年早々、北陸地域のお住まいの皆さんそして観光客の皆さんなどは大変な事に遭って動揺なさっているかもしれません。
どうぞ心身ともに、ご自愛くださいませ。
そして余震などお気をつけて、最新情報をご確認ください!


そして、アナウンサー志望の就活生の皆さんは冬休みではありますが
どうぞ災害報道を視聴することもお忘れなくお過ごしください。

最後までお聴きいただきありがとうございましたー!
おまけコーナーは無しです。