さてさて、今年の宝塚歌劇団もこのコロナ禍において大きな影響を受けておりました。


ご贔屓組、月組も公演休止…


エンタメ界隈は症状がなくともキャスト、スタッフが検査を定期的に実施しているからこそ、陽性者が出てしまう確率が上がってしまうのは仕方がないことですよね。


それでも8/19に無事、再開!


ですので唐突ですが『グレート・ギャツビー』に思いを馳せつつ感想を思い返そうと思います。





​人物別感想つづき



ジョージ・ウィルソン、光月るうさん


はい出ました!

光月さんの巧さが発揮される冴えないおじさん役。

登場した瞬間から悩み、不安、狂気を孕んでいそうな表情と台詞まわし。

学年的にどうしても毎公演おじいさん、おじさん役が多くなるのに、作品ごとぜーんぜん違う人物になるきれるから凄いのよ。


ヒルダ、夏月都さん


まず今作品は、夏月さんにとって退団公演になるので、今後は全てが落ち着いて公演が無事大千秋楽まで完走してほしいです。

ファンの方、ご家族、ご友人、きっと宝塚最後の勇姿を見届けたいであろうに…。

デイジーの乳母で、子どもの頃から母となった時までずーっとデイジーを見守り続け、幸せな人生を歩んでいけるよう促していくヒルダ。

温かくもありますが、デイジーとその家族と一連托生的な運命を辿るラストの場面での表情は

何とも言えない大人の事情を押し殺したようにも見えます。

あの場面…多くの人はデイジー、トム、ニックに目がいくと思うのですが

通い続けるコアな月組ファンの方はヒルダも観てみてください。

何とも言えない顔で赤ちゃんあやしてます…。

台詞はなくとも夏月さんの芝居力感じられますよ。


警視総監、千海華蘭さん


ベビーフェイスだなんてよく言われていますが、ここのところ髭付きおじさん役が増えましたよね。

パーティーですっとぼける所、脅す所、妙案を思いつく所…

悪事を悪事とも感じず、彼やその取り巻きにとってそれらは当たり前である様子を描く作品序盤から

「普通の常識ではない世界」をニックにも我々観客にも伝える大事な存在。

そんな警視総監を七変化役者の千海さんならあっさりとギャツビーの世界に誘うわけですよ。

個人的お気に入り場面は、本筋と関係のない所ですが…二度目のパーティー場面でギャツビーやデイジー、トム、マートルでわちゃわちゃしてる間に、ヴィッキー(結愛かれんさん)が誘惑してきて警視総監・千海さんとヴィッキー・結愛さんコンビが上手側で踊るんですよ。

ダンス巧者な2人によるタンゴは体幹強くてかっこよく、独特の色香を醸し出していて最高なので

余裕のある方は (←ココ大事、笑) ご覧ください!

そしてゴルフ場面のキャディ1。

「少年役・千海華蘭」を存分に楽しめます。

本当に92期ですかね?


ラウル、夢奈瑠音さん


久しぶりじゃないですか?爽やか青年以外な役。

悪の道とは程遠いイメージの「良い人」「上品」な芸風をお持ちな夢奈さんが、裏社会の人間役だなんてまぁ本当に宝塚って面白いですよね。

観てみたい夢奈さんがみられました。

清く正しく美しくな宝塚歌劇なので、下品な舌打ちは打たないけれど、舌打ちが聞こえてきそうな表情や振る舞いがものすごーくお上手で、かっこいいです。

そしてお顔が小さい (鳳月さんにつづく毎度お馴染み)


スレイグル、蓮つかささん


蓮さんって観る人の心に引っかかりを残す役多いですよね。

今回もまさに、という作品のスパイス的な役。

今やすっかり影を表現する大人の役が似合うんですよねぇ。

「うだつのあがからないワル」というワードがぴったりな役を、宝塚の品格を残したまま表現できるってすごいなぁと観ていました。

夢奈さんとはまた異なる意味でオンオフのギャップが蓮さんを観ていますと感じられます。


マイヤー・ウルムシェイム、輝月ゆうまさん


専科となって帰ってきた輝月さん、存在感の大きさがすごかった!

いや観る前からすごいだろうな、と予想していたのですが

高身長と確かな歌唱力、芝居力を活かして裏稼業のボス役が似合いすぎてブラボーです。

きっと専科となってよりご本人にピッタリ合った役と巡り合いやすくなっているのでしょうね。

花組出演でも大好評だったはず(私、観られなかったの)

各組での益々のご活躍、楽しみです。


ヴィッキー、結愛かれんさん


原作はもちろん、過去の舞台化でも無かったこのコーラスガール役は結愛さんのためのベスト配役だなぁと観た人は確信するはず。

本当に宝塚では珍しい良い意味で生々しい色気を持つ娘役さんなんですよ。

赤いリップがよくお似合い♡

あと短い場面ながらトムとの絡みがあるので、マートルを彩さんではなく天紫さんに配役したのも納得でした。

天紫さんから結愛さんに乗り換えようとするトム…

男としては憎い奴ですが、内心では (わかる…わかるよ…タイプの違う女と遊びたいんやろな?悪いやっちゃな?)と頷いちゃいます。


ヘンリー・C・ギャツ、英真なおきさん


今回の22年版月組『グレート・ギャツビー』はどの役も配役ピッタリですね?!と感嘆するばかりでしたが

最後の最後の最後に登場する英真さんがそれはそれは素晴らしくって。

涙を誘おうしてしてるわけでもないでしょうが、英真さんのお父さんはなんかね…じんとくるのよね。

皆さんラストまで気を抜かずにご覧ください。




ふぅ。

自己満足ですが主な出演者、語ってまいりました。


下級生も魅力的な方が多くてね、語りきれなくて心苦しいわ。

クールな役もこなせるようになった礼華はるさん、クラシックバレエの場面で目を惹く菜々野ありさん・美海そらさん、トムの友人達、朝霧真さん、彩音星凪さん、一星彗さん、少年時代ギャツビー役の瑠皇りあさん……

きらりと光るものを魅せてくれて、月組ファンとして嬉しいです。


どうかこの先の公演は、スケジュールどおり上演いけますように!


祈るしかできませんが、スタッフ、関係者、ファンの皆さんがこれ以上悔いの残る公演となりませんように!


千秋楽は配信観て応援します。