今日のブログ長い上に回りくどいです。

なぜなら多方面に気を遣いながら発言するからです、笑。




私は評論家ではないから舞台や映画、テレビ番組を見て、マイナスな感想を書かないようにしていて良い事しか書かない方針にしています。
よっっっっっぽど気になった時だけ書くようにしているつもり。

だから遡っていただき、過去にマイナス意見が書いてあったら「早坂さん余程好きではなかったのね、我慢できなかったのね…」と思ってください。
(そこまでじっくりこのブログを読んでくださる方がいらっしゃるか不明ですが)




前置きが長くなりました。

映画『CATS』見てきました!


先に書くと、世界中で評判悪いのですよ。
検索してみてください。
笑っちゃうくらい褒め言葉が少ない。

検索魔な私は、すごく楽しみにしていたキャッツの映画化なのに、昨年12月に公開されたアメリカはもちろんどこの国も評論家、一般客までもだいたいマイナス感想なようでがっかりしました。


CGの編集について酷評されているのをよく目にするので
「ならば歌とダンスを楽しみに行こうじゃないか!」とミュージカル映画ならではの見所を期待していったのです。
元々劇団四季のキャッツは小学生の頃に観ていて大感動した記憶がありますし。



が、しかし。



わかった…わかったよ…
「CGが…」って酷評される理由が。


『高い技術をもったダンサーや役者を揃えたのに、CG編集したらダンスまでもがニセモノっぽく見える現象』が起きていました。


作品への感想、結論はこれ。
【CG編集があるからこそ完成した作品だけれど
CG編集があるからこそいくつかの魅力が消されちゃった】


ダンサーとダンスがその内の一つかな。
例、①
舞台版『CATS』だとダンサーの磨かれた肢体そのものも芸術なのです。
「筋肉すごいな、衣装着こなせていて素晴らしいな、脚が長くて格好いいな、」とか。
容姿も含めて役者の素晴らしさを楽しむ醍醐味が舞台版にはあったはず。

それがCG編集されていて、ネコのフサフサ感を出すためとかのために本来の役者さんの魅力が消えてしまっているの。
猫のリアルさを表現する上で仕方がない点なのですが、改めて舞台版の良さが分かりました。
 
猫の耳や尻尾の動きは舞台では不可能な動物らしい動きだから、その点は映画版のCG編集の良さではあります。



例、②
映画版にもダンスナンバーはもちろん沢山あるのだけれど、それも編集が加えられているのです。

バレエ系の動きで説明するとピルエットやフェッテ、アラベスク、シェネ…

バレエダンサーを起用しているから(※)ヴィクトリアやマンカストラップの身のこなしやポージングはとても綺麗。
他のダンサー達ももちろん綺麗。
有名なタップダンサーもキャスティングされている。

だけれど編集が加わっているから、舞台で感じるあの生身の人間が身体一つで表現している緊張感や迫力とは程遠いものなのです。


※ヴィクトリア役は、ロイヤルバレエ団出身のフランチェスカ・ヘイワード。
マンカストラップ役は、ニューヨークシティバレエ出身のロビー・アチャイルド。
スキンブルシャンクス役は、ロイヤルバレエ団出身のスティーヴン・マックレー。

踊れる人を起用しているあたりは、舞台版のリスペクトを感じるキャスティング。




歌唱パートは良かったですよー吹き替え版!
世界中で唯一現地言語での吹き替え版製作を許されたのが日本なんですって。

声優、俳優、ミュージカル俳優、歌手、芸人…日本の吹き替えキャスティングはバランス良くて、この点は素晴らしいのかと。
(たまに知名度だけでキャスティングされて、全然歌えない俳優の吹き替えとか聴くと大人の事情を感じてしまうミュージカル映画あるある)


『メモリー』はやっぱりじーんと感動したし、吹き替えのグリザベラ高橋あず美さんステキでしたよ、力強くて寂しげで!

あと最近すっかりドラマ俳優としても活躍中のダンサー大貫勇輔さんがあんなにカッコ良く歌うとは!スキンブルシャンクス、意外でした。
(ドラマ『ルパンの娘』でも歌声が話題になっていましたっけね)

ミストフェリーズ、森崎ウィンさんも感情表現がお上手でいつか生で聴いてみたいな。

山崎育三郎さんのマンカストラップは想像どおりの安定感と甘さでした。
(そういえば今年はトート閣下ですね、『エリザベート』楽しみ)




あ、擁護したいことも書いておきます。

「映画始まって序盤は台詞ほぼ無し、歌で物語が進むからよく分からない」って感想を既にネット上で見かけるのですが、そこはミュージカル作品なんだから別に何もおかしくないと思いましたよ。

ミュージカルに慣れていない人にとって耳が付いていけないのは仕方ないかな…って感じます。
これ私が舞台ファンだからマウンティングとっているわけではなく、ミュージカルって「慣れ」が必要だと心底思っているので。

歌で物語進行するのに慣れていない方は字幕版の方が良いかもしれませんね、文字で内容を追えるから。




私、今後楽しみなのが日本の映画・ミュージカル評論家や劇団四季ファンやミュージカルファンの、映画版『キャッツ』についての感想なんですよね。
もちろん映画版は舞台版とは別物の作品というのは誰もが分かってはいるものの、目の肥えた人達がどんな感想を抱くのか…注目です。


以上、映画版『キャッツ』感想でした。
今度は字幕版の方を見てこようと思います。

リア友へ、この映画見たら是非感想聞かせてほしい。
あれこれ感想言い合いたい!


↑ご興味ある方こちらのインタビュー記事をどうぞ、ステージナタリー公式サイトです。