仙台放送局アナ時代のこと。
ありがたいことにスポーツ番組を担当させていただいた。
プロのスポーツ選手に取材できる貴重な経験を積ませていただく毎日。
仙台には楽天イーグルスが2005年に誕生した頃に局アナになったので、プロ野球取材は各局特に力を入れていたこともあり
上司が野球取材にもよく連れて行ってくださった。
鉄平選手はグラウンド内での練習中、常日頃「選手を撮影しやすいように」と各報道陣に気遣いカメラマンの前を横切らないように練習中歩いていた。
通常、報道陣は「取材させてもらっている」立場なので選手がどこを歩こうがカメラの前を横切ろうが問題ないのである。
なのに毎回毎回、鉄平選手は他の選手を撮影中のカメラマンに気遣って、屈みながら自分が映らないよう配慮した行動をとっていた。珍しい選手だ。
インタビューも人一倍じっくりしっかり考えて答えるし、同僚だった渡辺直人選手が横浜へトレードの際には会見で人目をはばからず号泣するし、そんな姿を見ている楽天イーグルス担当の記者やアナウンサーは、男女関係なく皆鉄平選手が大好きだったと思う。
「野球に対して真面目、普段は温厚で優しい人」という印象。
2009年には首位打者となっているので、野球技術は言わずもがな。
あぁユニフォーム姿、また見たかったな。引退。それは新たなスタートであろうが、ただただ寂しい。
