「お」の妖怪、もうちっといます。
よろしくね。
白粉婆(おしろいばばあ)
雪で覆われた能登半島に現れた「脂粉仙娘(しふんせんろう)」という白粉の女神の待女として仕える妖怪。
笠を被って白い服を着て杖をついて徳利を持って歩く曲がった腰のおばあさんでその顔は白粉で真っ白。
鳥取県には一休禅師が九州を下る途中で化粧川で出会った化粧をした老女の話が残ってますよ。一休の歌を詠むと返歌して消えたんだって。なんか知的な印象。
大蛸の足(おおだこのあし)
四国の大三島乳児岬に残るお話。
巨大な蛸が美しい漁村の娘を気に入り嫁に貰いにきた。短気な蛸は返事も待たず暴風雨を起こしたので、娘は嫁に行くことになった。
条件として1日に1本ずつ足を切らせて欲しい、2本足になったら嫁に行くとした。そしてとうとう6本の足を切り終えると、蛸は娘を抱いて海に沈んでいった。
娘の両親は娘を探して海をもぐったが見つからず、父親も母親も行方知らずになりじじ岩・ばば岩だけが残ったとのこと。
お菊虫(おきくむし)
虫のお化け。
奈良のお菊という娘が貧しさゆえに米を盗み、村人に見つかって殺されてしまった。
それからというもの春先にホタルのような光る虫が現れお菊の妄念だといわれている。
また、播磨(兵庫)では安政のころに於菊虫という変な虫が話題になったことがあるそうですよ。
送り提灯(おくりちょうちん)
またまた登場、東京本所七不思議のひとつです。
ほろ酔いで夜道を歩いていると提灯を持った腰元ふうの女が歩いている。声をかけおしゃべりしながら歩いて、じゃあと別れたら女はぼんやり消えてしまった。というお話。
妖怪のお話にはボンヤリと灯る行灯の明かりとかがよく出てきます。その薄暗さが人の恐怖心や想像力を掻き立てたんだろうね。
大かむろ(おおかむろ)
雨戸のあたりで音がするので開けてみると大きな顔のお化けがにゅーっと現れる。それが大かむろ。
狸の悪戯という説もあるけれど、へんな現象をすべて狸の仕業にするのも夢がないよね。
オッケルイペ(おっけるいぺ)
アイヌのおならの妖怪。アイヌ語で屁っこき野郎とかいう意味だそうです。
あちこちからおならの音がしてくさくてたまらない、そんなときはこっちも負けずに放屁。すると止むらしい。
オッケルイペが化けた若者がおならで船を壊してしまったので、捕まえて殴ったら黒狐だったとか。
ちょっとだったら可愛い悪戯ですが、くさいとか船壊すってのはたまらないね。
お歯黒べったり(おはぐろべったり)
夕方の街外れの人気のない神社とかに現れる女の妖怪。美しい着物(時には花嫁衣裳)を着て顔を隠してたたずんでいる。
声をかけるとお歯黒を塗った口だけののっぺらぼう。お歯黒見せてニタニタ笑う。
やっぱり狸や狐が化けたという説があるけど、お歯黒をつけた女の執念が集まって出来た妖怪とも。いずれにせよ、真っ白い顔をしてお歯黒の口だけ見せるって怖いよね。
「お」はもうちょっとで終わりますよ。
お付き合いよろしく。