とても長いブログになります。

広尾『Ode』さんで、



トマト1個分をかなり加熱して、
ぎゅっと濃縮させ、


薄い濡れ煎餅のようなアミューズが登場したのですが、
とても理に叶ったトマトの調理法です。

なぜ理に叶っているのかというと、
以下、長くなりますが、、、
生のトマトを食べると痒くなるのに、
火が通っていると大丈夫という方、
いらっしゃいませんか?

それは、
タンパク質の一種で、「糖鎖に結合活性を示すタンパク質」の総称でもある「レクチン」というに反応している可能性があります。

どの種類のレクチンに反応するかは個人差があるので、
一人一人ご自身の体に問いかけながら、
苦手な食材を特定していく必要があり、
また、場合によっては、
レクチンを含む食材にアレルギー反応を起こすこともあり、
アレルギーテストで判明することもあります。

細胞の表面の糖鎖に結合しやすいタンパク質という意味で、
ほぼ全ての動植物にさまざまな種類のレクチンが何らかの形で含まれています。

植物においては、レクチンは昆虫などから自らの身を守るための防備の手段として進化の過程で備わったもののようです。

人間が植物を食べる際、
この「レクチン」が人間の健康に害を及ぼすことがあると言われています。

よく「灰汁が強い」食べ物がありますよね。

この灰汁は色々な物質について使用されている言葉ですが、
レクチンこそがこの灰汁の主要な正体の一つでもあります。

健康への悪影響を及ぼす恐れのあるレクチンを多く含む食材には以下のようなものが挙げられます↓

・豆類(大豆、インゲン、ピーナッツ、レンズ豆、グリンピースなど)
・玄米
・小麦
・ナス科の野菜(トマト、茄子、ジャガイモ、ピーマン、唐辛子など)
・瓜類(胡瓜、南瓜など。特に種の部分)
・熟していない果物
etc...

結構身近なものばかりですよね。。。

ちなみに、どんな悪影響があるかというと、

○腸の透過性を高めてしまいます。
レクチンが腸の内壁を傷つけることで、腸の中の分解前のタンパク質やペプチドが血液内に漏れるようになってしまい、アレルギーなどの自己免疫疾患やその他さまざまな慢性疾患の原因になっている可能性があるようです。
 
○炎症を誘発する性質を持っています。
たとえば、小麦に含まれるレクチンは、関節部分を覆うグルコサミンと結合してしまい、関節部分に炎症を起こすことがあると言われています。

○ レクチンは種類によっては免疫や神経を害する毒性があります。レクチンはほぼ全ての植物に含まれていますが、含有量や毒性には植物ごとに差があります。
豆類・茄子・ジャガイモ・コショウ・小麦などの種は、毒性の高いレクチンを含んでいるそうです。

とは言え、
それらの食べ物も日常で食べる機会も多く、
良い成分も含んでいるので、
どうやって食べたら良いかというと、、、

①しっかり煮る。
調理によってレクチンの効力を減らすことができるとされています。灰汁の強い食べ物を灰汁抜きしますが、トマトや豆類などに含まれるレクチンは、十分に煮ることによって不活性化します。
なお、80度程度の温度では、レクチンの毒性は完全に除けないので、加熱は十分に行うことが重要で、圧力鍋でより高温での加熱ができれば理想的とのことです。
一方、焼いたり炒めたりする調理法ではイマイチで、最低15分以上かけて煮たり茹でたりして加熱するのが効果的みたいです。
ただし、小麦に含まれるグルテンは熱では不活性化できないと言われています。

②発酵&発芽させる。
大豆などの場合には、発酵させることでもレクチンを不活性化させることができます。
味噌や納豆・テンペなどの発酵食品は理にかなっているということです。
発酵によってバクテリアがレクチンを含むタンパク質を分解します。また、豆の場合は発芽させることでレクチンを減らすことができます。
玄米も、先日お伝えしたように、発芽酵素玄米にすれば大丈夫です。

③水に浸してよく洗う。
古来から豆を調理する場合には、一晩水につける必要があるとされてますよね。これもレクチンを減らすための知恵なんですね。

実は私も、
生のトマトを食べすぎると、
唇の周りや手が荒れることがあるので、
しっかり加熱して食べるようにしてます。

普段から、
何か不調があるなぁと思っている方や、
慢性病を抱えている方は、
レクチンの摂取だったということも考えられますよね。

あらゆる身近な食材に含まれ、
多くの種類が存在するレクチンですが、
冒頭でも述べたように、
どの種類のレクチンに反応するかは個人差が大きいです。

そんなわけで、
先日、


我が家には、
こんなに沢山の🍅が届きましたが^_^、


リコピン豊富なトマトであっても、


大きめのフライパンで、


しっかり煮詰めてソースにしてました。

しょうがなくではなく。

しょうがなくといえば、
『Ode』さんでは、


生姜をシャリに見立てた「生姜寿司」も、
トマトアミューズの次に運ばれてきましたが、


どの料理も、


なかなかユニークで、


控えめな華やかさと、


ゴージャスさと、


どれをどうとっても、


生井シェフらしさ溢れ、


「アスパラを練り込んだカーポー」も、


明日はパラダイスみたいな料理でした(どんな料理なのか分からないですね笑)


デセールも、


煌びやかで、


妖艶なものから、


ダンディ(?)なものまで、


『Ode』さんワールド炸裂でした。


帰り際には、


この日のお品書きを素敵な封筒に入れて頂きましたが、
改めて思います。


まずは食材と自分自身をよく知り、
理解した上で、正しく調理し、適量を食べるといいですね。

レストラン選びも同じです。

美味しいものを食べて、
より楽しく健康的に生きていくには、
見極める力って大切ですね。