1978年生まれの私が、
10年来、恋い焦がれていたレストランがありました。
1978年生まれの『マダムトキ 』です。
先月、やっとこさ伺えました。
3種類のコースの中から、
一番食べたい料理があり、
且つ、
一番お手頃だった7900円コースをオーダーさせて頂きました。
7900円コースといえば、
我『園山 』と一緒です。
食前酒(ミモザ)より先に運ばれてきた最初のアミューズは、
「青リンゴのジュレ・アボカドのムース」
「マグロのカルパッチョ風」
「サーモンのプチシュー」
でしたが、
すかさず、
パン(トマトパン・ライ麦&ひまわりの種パン・胡麻パン)と、
バターもやってきました。
ナイフがグサッと刺さった「超特大バター」です。
CALPIS「特選バター」の有塩と、
食塩不使用を混ぜてホイップし、
バニラエッセンス等を加えた『マダムトキ』オリジナルバターとのことですが、
空気を含んでいてふんわふわでした。
バターまで抜け目のない演出です。
「オーガニック蕪のブランマンジェとそのクーリ、緑の鮮やかなエスプーマ 」
この一皿に、
丸ごと一個の蕪が使われてるそうです。
蕪本来の味わいを生かすために、
殆ど生クリームも入れてないとのことでした。
セップ茸の軽いサバイヨン 」
リースニングにもぴったしかんかんでした。
「桜のチップで燻した鰆のミキュイ・フレッシュプチポワ・24ヶ月熟成ミモレット」
プチポワって何だろうと思ったら、
グリンピースのことでした。
勉強になります。
「仔羊の背肉のロティとそのソーセージ ~タイムの香るジュ~」
メニューにはなかったですが、
一緒に、
「旬野菜のグリル」も添えて頂きました。
野菜不足だった私からの我儘リクエストです。
この赤ワイン(Cuvee Poulet Vin de Table MAISON ALAIN PARET 2008 )、
エチケットに鶏の絵が描かれてましたが、
造り手さんが、
日本の鶏に合うワインをということで誕生したオリジナルワインだそうです。
じゃあ、
鶏に合わせなきゃってことで、
カモ科の鳥類でもある「ビュルゴー家鴨のロティ」まで頂いてました。
相性のいい赤ワインに合わせて頂き、
やっぱり正解です。
嬉しい春野菜もふんだんに添えて下さったのですが、
「やったー、菜の花がいる~。」と叫ぶと、
「や、それは、三月菜なんです」と支配人さん。
聞き慣れない「三月菜」でしたが、
どうやら、
小松菜を春まきにして、
若いものを摘み菜とするもので、
「鶯菜」とも言われるようです。
日本の野菜ですら、
まだ知らないものがあるなんて、
私もまだまだ勉強が足りないですね。
勉強しつつも楽しみながら、
お料理とワインを堪能したところで、
これからさらにお楽しみのワゴンデザートへと移るわけですが、
デザートの前夜祭(?)として、
マドレーヌらしきものが型ごと運ばれてきました。
焼き立てだそうで、
そのまま型から手でつまんで鼻に近づけると、
まるで「人形焼き」の香りです。
食べると、
「マドレーヌ」というより、
とーてもふんわりな「甘食」みたいなお菓子でした。
何だかノスタルジックな思いに浸りながら、
フランスと日本の融合ティポットから注がれるハーブティを頂いていると、
じゃーん。
マダムが、
テーブル一面に、
ワゴンデザートをのせて下さいました。
食べたいものがありすぎて、
どれにしようか迷いましたが、
「フレジェ(直訳すると、苺の木。つまり、苺のショートケーキです)」
「黒無花果のタルト」
「プラムの赤ワイン煮」
「グラッパ入りヨーグルトムース」
「ティラミス」
「マロンのパウンドケーキ」をチョイスしました。
「グラッパヨーグルトムース」は、
開業以来のレシピなんですって。
ものすごーいグラッパでした。
また、
苺大好き人間の私に、
苺を一個おまけでつけて下さいました。
こういうサービス、
グッときます。
これでもかってほどのデザートを平らげると、
今度は、
アーモンドとチョコの「ドラジェ(糖衣菓子)」や、
長ーい「ミントのギモーブ」や、
「生キャラメル」「カシスゼリー」を出して下さいました。
「ギモーブ」は、
お好みの長さにハサミでちょん切って下さいます。
マシュマロと求肥を合わせたような「もちっと、ねちっと、ふわっと」食感です。
最後の最後に、
マダムから色んなお話を伺いましたが、
33年も人気の絶えないお店を守り続けてらっしゃる理由が、
表情や表現からもうかがえました。
スマートなサービスも、
長年のキャリアと年輪を感じました。
学び多き大先輩のマダムと、
同級生店にまた逢いに伺います。