20年間、湯河原で料理旅館だった『指月』さんが、
1年半前、
港区青山に、
料理屋さんとして移転なさったとのこと。
湯河原時代に伺えなかったのは心残りですが、
ようやく先月、
青山の隠れ家に伺うことができました。
お店に入る前も、
入ってからも、
雰囲気や室禮、
お店の方から、
心が透き通る感じです。
さらに、
『壬生 』の会員さんご推薦でしたので、
期待が高まります。
通常は夜のみの営業とのことですが、
無理を言って、
お昼に伺い、
夜のコース(2万5千円)を頂きました。
「香煎茶」の入った
兎のお茶碗からはじまり、
フグに似てますが、
もっとふわっとした肉質です。
日本酒がほしくてたまらなかったですが、
今回はグッと我慢です。
ほくほくとろとろの「海老芋」の中に、
「鶉のひき肉」が入ってました。
おちょぼ口サイズの酢飯を、
巨大穴子で包んでありましたが、
穴子は、
驚異の柔らかさとしっとり具合です。
こんなに繊細なのに、
箸で持っても崩れないから不思議です。
職人ワザがピカピカ光った逸品でした。
お代わりしちゃいましたが、
女将さんに、
「それ以上食べると、おなかいっぱいになって、後が大変ですよ」と
言われちゃいました。
それでも、
「おいしいものはおいしく食べられる」私ですが。
この「蕗の薹」もお代わりしてました。
こちらは、
「有次」の銅鍋(今、私が一番買いたい調理器具物です)で、
昆布だけで炊かれた「京揚げと九条葱のお鍋」でした。
ふっくらジューシーなお揚げと、
しゃっきしゃきの九条葱の食感のコントラスト、
滋味深き味わいに、
京都に行きたくなりました。
福島のお米だそうです。
噛むほどに甘みがじゅわーっと出てきます。
これが日本の白ご飯です。
「でこぽん丸ごとゼリー」
でこぽんの器には、
でこぽん果汁・ゼリー・でこぽんそのものが入り、
食べ応え満点の鮮度抜群甘味でした。
蓋部分にくっついてる実も食べちゃいます。
そして、
お抹茶で、
『指月物語』が幕を閉じました。
直球勝負な正統派料理もさることながら、
器からも、
日本の素晴らしさが堪能できる純日本料理店です。
色んな評価があるかと思いますが、
落ち着いた空間で、
ゆったりホンモノの日本食文化を堪能なさりたい方にはよろしいかと思います。
きっと「福」が迎えてくれます。
『指月』
港区南青山3-9-1
03-6438-0918