京都では、
「炊きもの」のことを「炊いたん」といいますが、
中でも、
大豆食品の王様「炊いたん」といえば、
「おからの炊いたん」ではないでしょうか。
丸
私もよく作りますが、
丸
わりとしっかり甘辛めにしちゃいます。
和食屋さんに行ってもメニューに「おから」があると、
必ずといっていいほど頼んでますが、
最近外食ではあまりお目にかからなくなり、
ちょっぴり残念でしたが、
○
数ヶ月前、
赤坂『花楽』さんでお目にかかりました。
私の作るがっつり甘辛系ではなく、
お淑やかな淡い味付けですが、
この「おからの炊いたん」はとても好評とのことで、
2つのコース(8400円・12600円)のどちらでも出して下さるそうです。
中を探れば、
丸
大きな空豆やあさりがいます。
京都のかなり辛い一味をかけて頂きます。
家庭ではなかなか作れない繊細且つ職人さんの域に達した「炊いたん」です。
大事に大事に作られた絹のような心和む味わいです。
お得意の仕事の休憩時間を塗っての短時間での訪問でしたが、
この「おから」を食べた瞬間、
桃源郷にいる気分になってました。
おいしい精神安定剤ですね。
この「おから」もさることながら、
その他のお料理も、
目を見張るもの・心に響くものばかりで、
食べるたび、
目がとろんとろんしてました。
もちもちした蓮根饅頭に、
スライスされた蓮根と、
蓮根の実ですから、
おだし以外は、
全て蓮根です。
レタスの仲間ですが、
焼いて食べると、
ポテトチップスみたいな味わいです。
どーん。
ちょっとここでクエスチョンです。
「さてこれは何でしょう?」
丸
答えは、
「キンメダイの一夜干し」でした。
料理長さん曰く、
魚が泳ぐ姿に見立てて盛り付けたとのこと。
この姿からそそられます。
盛り付けもおいしさの鍵を握ってます。
添えられた「丸十(さつまいも)」の蜜煮を途中で食べながら、
尻尾までおいしゅうございました。
黒麹仕込みの『福光屋 』の「純米完熟辛口」日本酒も相性バツグンです。
続いて、
クイズパート2です。
「さて何でしょう?」
正解は、
「鱧」です。
と言ってしまうほど、
「鱧」瓜二つですが、
「穴子」です。
生の「穴子」や、
マコモタケ・蓮・豆苗を、
柚子の実が入った繊細なおだしで、さっと湯がいたら、
そのまま頂きます。
「穴子」というものは、
こういう味なんだと思わされます。
「鱧」にも似てるところがありますが、
やはり「穴子」です。
ゆるめの酸味を感じます。
途中で、
「甘夏柑」を頬張り、
お鍋の具材を食べきると、
「このおだしで、麺を茹でてお召し上がり下さいませ」と、
やや茶色みがかった麺が出されたのですが、
中太の「ふすま麺」でした。
「ふすま」とは、
小麦の表皮のことなので、
ビタミン・ミネラル・食物繊維も豊富です。
溶き卵にカボスを2つしぼって、
卵を溶いたら、
さっと茹でた麺を絡めて頂きます。
ただでさえ優しいまろやかな卵が、
もっと丸みを増しました。
麺はもっちりやや柔らかめですが、
おだしと卵のいいところを吸って、
心地よく喉を通っていきます。
さらに、
お代わりした麺には、
だし醤油を加えて、
ちょびっとしっかり味にして頂きます。
残った卵液には、
おだしを加えて、
お次のご飯と共にお椀として頂きました。
そのご飯ですが、
真鋳の羽釜から、
女将さんが炊き立ての「ひとめぼれ」をよそって下さいました。
艶々な上、
甘いのなんのって。
噛めば噛むほど甘みが出てきます。
お米本来の素晴らしさを味わったところで、
「梅おかか」をふりかけて頂きます。
蓬と葛粉で練られた葛餅ですが、
中には、
白いんげん豆のこしあん(生姜風味)と、
紫芋あんがいました。
日本一の富士山です。
お料理もお酒も、
お水は、
「福光」の仕込み水とのことですが、
やはり水ですね。
人間も食べものも花も、
地球も「水」の力が必要です。
お花も楽しそうです。
『花楽』
住所:港区赤坂5-5-9
TEL:03-3585-
営業時間:16時~。