2月3日14時。


日本歳時記 壬生 』のお時間がやってまいりました。


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玄関先に掲げられた今月のお言葉は、


“山静か” 


です。


ちょろちょろ浮ついてないで、

動かない山のように、

どっしり構えてなさいということだそうです。


私のこれからのテーマの1つは、

「人間的重みのある人間になる」でしたので、

まさに、

“(園)山静か”です。


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お部屋に入ると、

なんとも巨大な掛け軸です。


400年前のものとのこと。


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お釈迦様が寝そべってらっしゃいます。


2月15日は、

お釈迦様がお亡くなりになられた日ということで、

涅槃(ねはん)の掛け軸です。


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当時の猫は、びよーんと髭が長かったそうです。


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鳥人間もいます。


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お手洗いの月花は、

もうじき終わりを迎える“菊”です。


それでは、

これよりお料理へと移ります。


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“日輪(太陽の意)・月・星”のお題より。


お飲みものは、

いつも通り「菊姫」のみです。


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「先、ゆり根」


ゆり根ご飯です。


ゆり根は、

外側部分をかりっと焼いたものが2つ、

茹でられた中側部分のものが4つ位、

炊きたての国米と合わせてあります。


調味料は一切ありません。


でも、

自然の甘さが口いっぱいに広がります。


ゆり根とは、白米とは、

本来こういう味なんだというのが、

改めて舌を通じて思い知らされます。


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「椀、○」


蓮の一番太い部分を、極太に切って、

ほんのり甘みを加えて炊いてありますが、


蓮の穴の中には、


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半日ことこと炊かれた白小豆が詰め込んであります。


赤小豆はおめでたいお席に食べるものですが、

お釈迦様の涅槃ですので、

白小豆になさったようです。


白小豆はなかなか手に入らない小豆です。


そういえば、

我『まめのおもい 』の「レアチーズケーキ 」には、

この白小豆を使用しておりました。


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周りには、

花弁に見立てたウドや大根が添えてあります。


それにしても、

この蓮、噛んだ瞬間から、

納豆みたいに(ちょっと言い過ぎました)びよーんびよーん糸を引きます。


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「向、平目、、、」


何なら大きな葉っぱが、

女将さんから手渡されました。


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温かい白魚に、

巨大ボタンエビ・平目のお造りです。


女将さんがボタンエビを持ちあげて、


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「ほら、こんなに大きいのよ~。エビ味噌もたっぷりだから、頭からしゃぶりつきんしゃい」と。


掌サイズ大のボタンエビです。


殻を自分の手で割ってジュージュー味噌を吸いながら頂きましたが、

お陰さまで、

手はもちろん、

口の周りもエビ味噌まみれになってました。


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「揚、白子 ふきのとう」


トラフグの白子とふきのとうの天ぷらです。


ふきのとうは、

別名、雪間草といい、

春を告げる山菜です。


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白子の真ん中を箸で刺して、

そこから日本酒を注ぎます。


こうすることで、

熱々で食べられたもんじゃない白子がやや冷めて食べやすくなる上、

日本酒の旨みとうまいこと合わさって、

ここはもう美の白子酒の世界です。


冷めるといっても、

まだまだ熱々で、

やっぱり口内火傷となりました。


でも、熱いがごちそうです。


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「煮、かぶ 蜆汁」


大振りの聖護院蕪が、

歯がいらないほど柔らかく炊かれ、

蜆と昆布だけのおだし(葛でとろみ付け)と合わせてあります。


こちらも塩は使ってらっしゃいません。


最小限の調味料だからこそ、

素材本来の味わいが分かります。


女将さん曰く、

「魚もお肉も野菜には敵わない。だからやっぱり野菜が主役」とのこと。


野菜様、

“生きる力をありがとうございます”

ですね。


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器の取っ手は、

お釈迦様の耳杯です。


島根出身の私には、

島根特産の勾玉にも見えます。


勾玉には、

健康を守り、強力な魔除けもあると言われています。


今度、出雲に帰ったら、

勾玉を買ってこようと思います。


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「焼、まながつお」


本当は、

西京焼きにしようとなさったみたいですが、

あまりに身質がよく、

お味噌で漬けたら可哀想だからということで、

シンプルに、

塩だけをまぶして、風干しし、

焼かれたそうです。


確かに、

余計なものを入れこむのはもったいないほど、

しっとりした柔肌まながつおちゃんです。


素材が良すぎるなら、

変な手を加えない方がいいってことですね。


人間も一緒です。


私は手(化粧)を加えないとやっていけませんけど。


私の化粧話はさておき、

日本は、

よその国に類を見ない季節を感じる料理が頂ける素晴らしい国です。


近年、

様々な食材が入ってきますが、

素材をできる限り潰さず、

テーマに基づいた四季折々の料理を作り上げてこそ、

本来あるべき日本料理の姿です。


私もそこんとこを再度見直して、

素材を土俵から出さずに、

大事に調理してあげようと思います。


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「お菓子」


お餅ではなく、ゼリーですが、

「涅槃餅」とのことです。


涅槃をイメージなさったようです。


右から、

日本の色んなみかんゼリー。

卵白とはちみつの淡雪かん。

アメリカの色んなオレンジゼリー。


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半分に切れていたのを、

半分ずつ、竹文字で一刺しし、

そのまま一気に3種を口に入れます。


もたもた持って食べると、

ゼリーが切れちゃうので、

すぐさまパクリといきます。


そして、

最後の最後に、


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「お釈迦様の“佛足”です」と言って出されたのが、

この足跡お焼きです。


一緒に、

「濃い茶(お抹茶)」が添えてあります。


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涅槃の掛け軸で見えているのは(この写真では見えてないですが)、

お釈迦様の左足ですが、

逆に右足を作ってみたとのことです。


慈姑のすりおろしたものに、

めりけんこちょろっと・卵白・砂糖を混ぜ合わせてフライパンで焼き、

手で足跡をつけたそうです。


なんてユニークなんでしょう。


早速、私流の足跡お焼きを作ってみたくなりました。


さて、

節分が終わり、今日から春です。


しっかり地に足をつけて、

気持ちも春でいきましょう。


幸せな毎日が過ごせるかどうかは、

ココロの持ちよう次第だって思います。