思い起こせば、
もう4~5年前位からでしょうか、
『オーボンビュータン 』の「ガトー・ピレネー 」が食べたい食べたい・・・・・・・と、
心の奥底から唱え続けていたのは。
そんな夢の食べられる山脈が、
クリスマス前にやってきたサンタ様より届きました。
何日も前から予約をしないと買えない貴重な逸品です。
ピレネーとは、フランスとスペインの国境にあるピレネー山脈のこと。
この麓、フランスのガスコーニュ地方で生まれた伝統菓子であるため「ガトー・ピレネー」、
つまり「ピレネーのお菓子」という名がついたようです。
バウムクーヘンの原型とも言われるようですが、
ガトーピレネーの方が、
表面カリッ・中しっとりで、
バターの風味とオレンジの香りが際立っているとのこと。
ふむふむです。
こんな高貴なレアものを、
殺伐とした自店 厨房で撮影していいのか考えものでしたが、
照明の都合上、
結局、厨房で箱を開けました。
女子スタッフ一同、
うおーーーーーっと、歓声が上がります。
高さ30cmはあるかと思います。
皆様に大きさをお伝えしようと、
横にごぼうを置いてみましたが、
いまいち分かりづらく、やり直し。
これでいかがでしょう?
さらに、
私が太っていた頃、大嫌いだった体重測定をしようと、
デジタル量りにのせると、
計測不可能となってしまいました。
1kg以上あるってことです。
◎
興奮しっぱなしで、
思わず、
北海道からやってきた蝦夷鹿と島根の大豆が
ことこと煮込まれている画像を撮ってました。
スタッフみんなで食べる長閑なまかないご飯の時も、
魚の骨が歯ぐきに刺さろうが、
側におきながら頂きます。
因みに、
今日のまかないは「アイナメ・蝦夷鹿・色んな野菜入りちょい韓国風おいしい鍋(〆はうどん)」でした。
飲みものは、温かいおから茶です。
身も心も温まったところで、
いよいよ「オープン・ザ・周りの袋」です。
言い伝え通り、周りはかりっかりです。
そして、
いよいよ料理長より、
「ガトーピレネー入刀の儀」がとり行われます。
しかし、
私達はまず、
昨日で今年の発売が終了となった『一幸庵 』の「栗蒸し羊羹」を頂いておりました。
なんとご近所の奥様が、お取り寄せなさったとのことで、
運よくお裾分けして頂いたのであります。
もう今年は食べられないと思っていたらの出逢いです。
ミラクルです。
また一つ幸せが宿りました。
◎
幸せを瞬く間に食べ終えたところで、
今度こそピレネー突入です。
バウムクーヘンよりまだらな巻き具合に、
心安らぎます。
素朴さに滅法弱い年頃です。
![園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00377.jpg](https://stat.ameba.jp/user_images/20091118/19/makiegg/31/69/j/t02200293_0480064010311271533.jpg?caw=800)
分厚く切って、豪快に頬張ったり、
薄く切って、ちょっと遊んで食べたり。
栗蒸し羊羹と山脈が同時に味わえたお陰で、
終始高揚しっぱなしです。
鼻の穴も膨らみ放題です。
あんなに大きかった山脈も、
あっとゆーまにあと一切れです。
形の残らない食べものですから、
お腹のアルバムにしかとはり付けておきます。
ふと我に返ると、
感謝の気持ちがぐつぐつ沸騰してきました。
幼い頃、
将来、自分がこんな食べものにご対面するなんて考えもしなかったのに。
色々あったけど、
やっぱり上を向いて生きてきてよかったなぁ、
人に恵まれてるなぁ、
これからもしっかり地に足をつけて頑張ろう。
って思えてきます。
当たり前の毎日を、もっと大切に大事に受け止めて、
「青い山脈 」のレコードでも探し求めてみようと思います。