13時41分。


毎月恒例の銀座『壬生 』玄関先に着きました。


13時55分に着けば間に合うのですが、

性格上、

いつも早く着きすぎてしまいます。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00003.jpg

さっきまで車の中で爆睡して、

なぜか、側転ができなくて半べそかいてる夢を見ていたので、


まさに“夢のあと”です。


お部屋の掛け軸には、


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00026.jpg

“花のかげ 今はいずこに 去りにけり”というお言葉と共に、


しゃれこうべが描かれています。


「ご両親を大切にしなさい」という意味が込められているそうです。


“花のかげ”、


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00032.jpg


お料理のテーマにもなってました。


“花のかげ”=“自分の母”という意味だそうです。


女将さんのお母様が先月他界されたことから、

お母様を想ってのことなんでしょう。


ご冥福をお祈り申し上げます。


14時00分。


お料理のはじまりです。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00070.jpg

「先、柚子 もみじ」


もみじで覆われた中には、

蜜で甘く炊かれた柚子釜に、

全く調味されてない炊きたてご飯が入ってます。


このもみじ、

紅葉と書くに相応しい紅色です。


すると、女将さんが、

いきなりもみじをばらまきはじめました。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00148.jpg

向かい側にお座りの方は、

黄金色のもみじです。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00160.jpg

紅葉と黄葉が辺り一面を舞ってます。


食べ終えると、

もみじを器に持って、

もみじの山にします。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00173.jpg


もみじは5枚以上の葉なら、

えぐみもなく食べられるとのことで、

食べてみました。


もみじの葉、初食です。


ほんのり苦味が舌に届きます。


苦いものはなんとなく体にいいように思えます。


良薬は口に苦しですから。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00242.jpg
「向、もみじ 鯛」


真鯛・すみいか(生・炙り)・子柱のお造りです。


「もみじ」は何処にと思いきや、


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00205.jpg

器にいました。


もみじが横に流れる様、優美です。


所々器に穴があいてますが、


これは「波の花」だそうです。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00252.jpg
「椀、○」


蓋には、霧吹きで水がふりかけてありますが、

時雨を表しているとのこと。


時雨が降ったら、もみじは終わりというわけです。


蓋をあけると、


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00253.jpg

唐草模様の眩い柄に目を奪われます。


銀杏をすり潰し、

きもーち葛粉を加えてとろみをつけたものが、


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00256.jpg


おだしで炊かれた風呂吹き大根の上を覆ってました。


銀杏はでんぷん質が多いため、

殆ど葛粉を入れなくても、

とろみが出るようです。


また、

滋養強壮にも効果を発揮し、

免疫力を高める銀杏ですから、

より強靭な体を作ってくれます。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00266.jpg
「揚、真名 慈姑」


風干しした真名鰹と慈姑の天ぷらです。


橙を絞って頂きます。


慈姑にはお砂糖をまぶしてありますが、

そのお砂糖が真名鰹にも飛び散ってます。


甘いお魚の天ぷらなんて、

超斬新ですが、

催眠術にかけられたみたいに、

おいしいって言葉が真っ先に出てきました。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00272.jpg
「強、柿 菊 独活」


柿・もって菊・独活のなますです。


柿は「四つ溝柿」という、

先が尖ったハート型をした品種です。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00286.jpg
「煮、えび芋 小芋」


大阪の富田林市で作られた伝統野菜のえび芋は、

里芋の一種で、

京都・大阪では、お正月や婚礼などに欠かせない高級食材となってます。


特徴は、

えびのように見える外観と、

口に入れると、とろけてしまう独特のなめらかさ。


その形と食感を生み出す秘密が「土寄せ」と呼ばれる栽培法で、

大きくえびの様な形に育つほど、なめらかさが増すそうです。


えび芋はおだしのみで炊かれてますが、

えび芋の子供である小芋の方は、

やや甘みをつけて炊かれてます。


まるでさつまいものような味わいです。


「子供(小芋)の方がおいしいから、親(えび芋)から食べてちょうだい」と、女将さん。


それでも、親も十分すぎるほどおいしゅうございました。


このねっとりしっとり食感は、

他のお芋ではなかなか味わえません。


えび芋は、

子供より長く生きてきた年輪を感じます。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00287.jpg
「果、 はるか」


スペイン原産の「クレメンチン」(和名:はるか)というみかんです。


ヘタを持ち上げると、


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00321.jpg

びよーん。


見事な蛇腹切りです。


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00325.jpg
「お菓子、 渚」


右は水、

左は砂をイメージしてあるそうですが、


右は「薔薇香る冷たいゼリー」、

左は「百合根で作られた熱いとろとろスープ」です。


同時に口に流し入れます。


冷と温の温度差が同時に喉を伝わっていきます。


3人がかりで作られるという大掛かりな逸品です。


エルブジ の世界です。(行ったことないですけど)


エルブジを髣髴とさせられるお菓子の後は、


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00336.jpg

やはりスペインが生んだワンスプーンでした。


しかし、

中身は“THE日本”の濃茶(抹茶)です。


『壬生』ご一行様、

数日後には、

サンセバスチャン(スペイン)で開催される「料理サミット」に向けて旅立たれるとのことで、

スペインを意識したフィナーレだったようです。


サンセバスチャンは、

スロベニアと肩を並べる「園山真希絵が行ってみたい国」TOP2に入る

夢の国です。


側転ができた夢を見れたら、行ける気がします。


そんな夢の国に出逢えることを願って、

今月の『壬生』をあとにした私が最初に出逢ったのは、、、


園山真希絵オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門に福来る-」by Ameba-DVC00338.jpg

「特大えだまめ さつま揚げ」でした。