『よねやま 』にいらっしゃった小林さんて方が独立なさいました。
その名も、
『青華こばやし 』です。
お店の前に着くと、
あらま、
6年位前によく訪れていた『かわにし 』さんのお店じゃないですか。
どうやら、
『かわにし』さんは、
今年に入ってお店を閉められたようで、
そのまま『こばやし』さんがあとを継がれたとのことです。
よって、
店内は、以前の『かわにし』さんのまま。
お席は、
カウンター4席と、
掘り炬燵席4名程度しかありません。
そして、
ご主人はお一人で切り盛りなさっているので、
一日2組か3組位しか予約をとらないとのこと。
予約がとれなくなる前に伺わねばと思い、
急遽、
真夏の夜に訪問です。
この日のお任せお料理(13000円)は、
「蒸し雲丹・蒸し鮑」
雲丹は、お塩につけて頂きます。
鮑に添えられていたわさび、
高さ3㎝はあるでしょうか。
眠気がさめるほどのものすごい量のわさびマウンテンです。
「塩多めの炒り新銀杏」
「肉厚グジのお吸い物」
「コチのお造り」
「カツオの叩き ポン酢がけ」
分厚く切られたカツオが、
6切れもいます(写真では前列のカツオで隠れてますが)。
ご主人曰く、
「園山さん、よく召し上がられると聞いたもので」と。
「おっしゃる通りです」と返した私です。
「骨抜きされた鱧の炙り」
梅肉とお醤油で頂きます。
「福島生まれ福島育ちの鮎の炭火焼き」
何もつけず、頭からかぶりつきます。
食べ終えると、
もう一尾、
お皿に置かれました。
これまた、
「園山さん、よく召し上がられると聞いたもので」と、ご主人。
再び、
「おっしゃる通りです」と、私。
「ふかひれの葛煮 生姜添え」
「あ、生姜つけすぎちゃいました。そそっかしくて、すみません」と、ご主人。
この「そそっかしくて、すみません」発言、
ここまで行きつくまでに、
何度耳にしたことか。
しかし、
憎めないご主人です。
「鱧と松茸の鍋」
時々、梅肉を添えて。
おだしを全て飲み干したくなるような
味わいも澄んだ極上のおだしです。
ほのかに甘みも感じますが、
それは、
鮑のおだしとのこと。
そして、
こちらでは、
調味料は、
塩とお酒位しか使ってらっしゃらないとのこと。
みりんや砂糖は、
蒸し鮑のツメに使っただけで、
あとは一切使ってないようです。
なんでも、
料理に甘みを加えないから、
ボリュームがある内容でも、
すいすいお腹に入っていくとおっしゃってました。
確かに、
かなりガツンとしたボリュームのお料理が続いてますが、
すいすいお腹に受け入れられてます。
というわけで、
〆のお雑炊も、
おだしまでしっかり頂きます。
雑炊なのに、
妙にご飯もおいしく感じられ、
ご主人にお米について尋ねると、
「お鍋じゃない時は、炊きたての白ごはんで出すんです。 うちの実家から毎週届くコシヒカリ米なんで」と。
ならば、
その炊きたてご飯も食べたかったと伝えると、
「ですよね、うっかりしてました。そそっかしくて、すみません」と。
また出ました、そそっかしい発言。
やっぱり憎めません。
さらに、
「もしかして、お漬け物ってありますか?」と伺うと、
「あ、そうそう、ありました、築地で買ってきたなんてことない漬けもんですが」とおっしゃって、
「なんてことない漬けもん2種」を出して下さいました。
そして、
最後の最後に、
「調味料の甘みはないので、せめて果物の甘さ位ほしいですよね」と、
「ピオーネと白桃」のご登場です。
すると、
「あ、ボールペン忘れた。ちょっと家に取りに帰ってきますんで」と、
ご主人は、ご自宅に走って行っちゃいました。
置き去りにされた私です。
しかし、
ものの1分でお戻りになり、
「うち、隣の3階なので、近いんです。ふふ」と。
お料理もさることながら、
いい味出してます、小林さん。