気分転換と、お勉強を兼ねて、
夜遅く、
ご無沙汰しまくりの『龍吟 』さんに、
ダメもとで電話をかけると、
電話の向こうは、
山本シェフの奥様のお声です。
そして、
奥様より、
「ご無沙汰ですから、頑張ります~」と、
奇跡的にOKサインを出してくださいました。
ワーイです。
店内もお料理も一新されてからお初です。
エントランスに入ったと同時に、
山本シェフと奥様がお出迎えです。
シェフ曰く、
「かなり久々ですし、常に新たなものに挑戦し続けてますから、たくさん出しますよ~。 お腹すいてますよね? 覚悟してくださいね」と。
お料理が始まる前から、胸もお腹も鼻も膨らみます。
お任せコース(23100円)1本です。
一番下からいきますと、
とうもろこしとホワイトアスパラガスをピュレにしたもの・
しゃっきしゃきに茹でられたホワイトアスパラガス・
生のホワイトアスパラガスを巻いてすり胡麻をまぶしたもの。
ホワイトアスパラガスもさぞかし喜んでることでしょう。
自惚れる位おいしいお肉ってことで付けられたそうです。
食べて納得です。
大葉の新芽や土佐酢が、
脂のりのりの脂をさらりと感じさせてくれました。
「FALL IN LOVE」
ワインかと思いきや、
ワインボトルに入ったお茶です。
標高1500m級の高山茶であるアリシャンキンセン(陳年青茶 手摘み)です。
白ワインのような明るい芳醇な黄金色、
清新な花の香りとまろやかなコクのあるテイストです。
ハマりました。
fall in love です。
「鱧・翡翠豆腐・博多スギダケのお吸い物 ~梅酢で漬けられた独活をのせて~」
つい数分前に登場した軍鶏のおだしです。
「お寿司に見えてお寿司じゃない魚介と野菜の盛り合わせ」
手前から、
「大胆にカットされた蒸し鮑(上には、石梨とやらがのってます)」
「平目の昆布〆(下には大根おろしがいます)」
「鮪のちょい漬け(下には海苔で巻かれた三つ葉と山葵がいます)」
「細かく包丁が入ったアオリイカ(下には筍と木の芽がいます)」
「のれそれとオレンジ&玉ねぎ和え」
「桜鱒の低温コンフィ ~オレンジの皮をのせた茄子の含め煮を添えて~」
表面はかりっと香ばしく、
中はしっとり半生といった
素晴らしい火の入れ具合と、
やや苦味が加わった味噌と鱒本来の味の相性の良さに、
ため息が出ます。
「藁で燻された仔鳩のロースト ~花山椒・筍のソテーを添えて~」
この仔鳩ちゃん(君?)、
なんともいえない食感です。
とびきり鮮度のいいハツみたいなぷりっぷり食感に、
旨みを閉じ込めたスモーキーな味わいに、
食べ終わるまで延々、んーんー唸りながら頂いてました。
迷いなく、
“2009年 園山真希絵の記憶に残る逸品”に殿堂入りを果たしました。
シェフも仔鳩も、
向かうところ敵なしって感じです。
「桜の葉を入れて炊かれたご飯の上に、かりっと揚げられた桜海老をたっぷりのせた桜ご飯」
「赤だし」
「梅酢で漬けられたこんにゃく・サーモン等をおぼろ昆布と海苔で巻いたお漬け物風」
これまた言葉にできないほどの美味たるご飯です。
お漬け物も、参りましたの仕事がされてます。
追加で、
「二八蕎麦」です。
かぼすのおつゆにつけて頂きます。
これだけ食べてきても、
お代りしたくなる魔法のお蕎麦です。
「種なしさくらんぼとシャンパンのゼリー」
「和三盆のキャラメルアイスに玄米茶の粉をかけて、薄く削った蘇(古代のチーズみたいです)をどっさりのせて」
そして、
デザート最後に、
手で持つと、
コットンそのものです。
綿飴の下には、
「苺・生クリームと卵黄とクリーム・小豆で作られたしゅわっとしっとりケーキ」
がお目見えです。
山本シェフのお母様が昔よく作ってくださってたお菓子を再現なさったとのこと。
そういえば、
山本さん、
お母様大好きっ子 だったんです。
いくつになっても、
どんなに高い山の頂点に立っても、
望郷とお母様を想う心は健在です。
お客様に喜んでもらおうと、
常に探究心と遊び心を持ち続け、
独創的なお料理を提供なさってますが、
基盤にあるのは、
生まれ育った日本です。
だから、
いくら斬新で高貴なお料理であったとしても、
食べてて、
とっても落ち着くんですよね。
私も日本生まれ日本育ちってことを忘れず、
もう一度、自分の料理と背景を振りかえり、
RECIPE作りに戻ることに致します。