今月は、


『薬がり』の掛け軸でお出迎えです。


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今の季節は、

苦味のある山菜はじめ、

薬になるお花や草を食べて、

元気になりましょうってことだそうです。


掛け軸の下には、

食べられるお花が生けてあります。


さらに、

お手洗いには、


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「クレマチス」ではなく「鉄線」が、

紫色深く咲き誇ってます。


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壁には、花菖蒲です。


では、お料理にうつります。


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一、生 天空まめ


焼いた空豆を炊きたて日本米に和えたものです。

ご飯は、酢飯になってます。


周りは、蓬の葉で覆われています。


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二、椀 天道花


女将さんから手渡された瞬間、

感嘆の雄叫びをあげてしまいました。


かつおだしだけで炊かれた大根に、

筑豊の葛で作られたとろとろの胡麻豆腐がかかり、


そこに、

お花に見立てたウド・つつじ・木の芽の花束が植わってます。


つつじも食べられます。


天道花とは、

日頃、お世話になっている太陽のことらしく、

お天道様に感謝の気持ちを伝える行事とのこと。


洗濯物を乾かしてくれたり、

田んぼや畑になるおいしい食べものを実らせてくれてありがとうって伝えるためのものです。


今まさに、

そんな田植えの神様に捧げる天道花を、

ありがとうの心で頂いてます。


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三、向 初鰹 鰈 青柳


玉虫色をした旬の初鰹は、

いじらないでそのままを食べるのが一番です。


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この初鰹、厚み3センチ位でしょうか。


「ようかん切り」と言う切り方だそうです。


なるほど納得です。


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四、揚 白きす たらの芽


火傷しそうなほど熱い一本釣りのきすの豊潤で麗しき身を頬張った後、


ぐいっと日本酒を飲み、


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見たこともない大振りのたらの芽を上側からかじっていきます。


一番上は、

アスパラみたい、


中央部分は、

一瞬苦味がきて、瞬く間に消えます。


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五、煮 白ずいき ぜんまい 揚げ○


奥のまん丸なのが、

昔ながらの木綿豆腐とすりおろした大和芋で作られた「飛竜頭」です。


あまりに美しくてうっとりです。


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ほんのきもーち甘みが加わったぜんまいは、

長いものを巻いてありますが、

途中で噛み切らずに、

一口で頂きます。


繊細な味わいがぼけないようにと、

縁が切れないようにです。


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ここで、

女将さんから掌を出してと言われ、

置かれたのが、たっぷりの木の芽です。


空気を使って香りを出し、

背筋がぞくぞくっとくるまで、

何度も芳しい香りを堪能します。


これを、


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油女にのせて頂きます。


油女は、

生きたものしか焼きものにできないそうです。


息をしなくなったものは、

煮物になるそうです。


六、焼 油女 木の芽


でした。


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七、お菓子


「苺の淡雪」ですが、


なんとなんと、


苺の一番中の白い部分と、

その周りのほんのり桃色の部分と、

真っ赤な部分(皮と呼ぶそうです)それぞれを淡雪にしてあります。


一番白い部分なんて、

ごくごく僅かしかとれないところです。


これもホンモノの仕事の証です。


毎月通っているにもかかわらず、

訪れる度、新たな感激のし通しです。


あまりの素晴らしさに、

茫然としていると、


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女将さんから菖蒲の根元が渡されました。


この菖蒲を口に当てて、

勢いよく吸い、

菖蒲笛として、

ピーピー音を鳴らし、遊びます。


吸う度、かなり顔の筋肉を要すので、

小顔になりそうです。


そして、

最後に、


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「菖蒲風呂だよ~」と出されたのが、

菖蒲と、蓬餅の入ったさ湯(香り湯)です。


さ湯なので、

一切調味料はありません。


蓬本来の味わいと、

菖蒲の風味を体中で感じます。


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お箸は、

黒もじと、

利休箸を合わせてありました。


お菓子のようで

お菓子でないためだそうです。


黒もじは、

クスノキ科の低木で、和菓子のつまようじとしてよく使われ、


利休箸は、

千利休が客人をもてなす際に、

杉の木を自ら削って箸を作ったと伝えられたことから、

「ハレの日」に使うとされます。


自然と人間、

神と人を繋ぐ聖なる道具とも言われているそうです。


このブログでは書ききれないほど、

初めて学び知ることに出逢う『壬生』さんです。


お料理はさることながら、

日本古来から受け継がれる伝統や、背景が学べます。


毎月訪れても、

新たな女将さん語録が途切れることはありません。


そんな中から、一つ抜粋してご紹介致します。


昔昔、その昔、

訪ね訪ねて今ここに、

父母様よりまだ昔、

辿り着きたる大福の神


魂のお話です。


これからも日本を深く感じながら、


天然のものと仲良く手をつないでいこうと思います。