本日のブログ、非常に長くなります。
予め、ご了承下さいませ。
それでは、これより「壬生」のはじまりはじまりです。
テーマは、「雪間」です。
今回も、
昭和10年代とか、
20年代初期生まれの初対面の方々に取り囲まれてます。
一、「先 白粥」
水で湿らせた“神お敷”という入れ物に、
水だけで炊かれたおかゆ(国米)と、
天然の焼きふぐの白子が寝そべってます。
二、「向 初午 」
キツネの目が描かれた氷紙をめくると、
金沢の子持ち甘海老と、
青森の平目と、
紅白なますが顔を出してくれました。
柚子の香りが漂うお醤油で頂きます。
一般に稲荷の祭日として知られる初午 ですが、
旧暦2月の最初の午の日を言うそうです。
稲荷神の信仰は、
農耕を司る倉稲魂神を祀って、
五穀豊穣や福徳を祈願するものらしいですが、
キツネを稲荷神の使いとして、
油揚げを供えたり、初午団子などを作る風習もあるみたいです。
しかし、
キツネの神様である「稲荷様」の縁日が、
午の日というのは不思議な気がします。
どうも、その昔「稲荷様」が地上に降りてこられたのが、
その年最初の「午」の日であったという言い伝えに基づいているようです。
でも、その年最初の「午」の日といいながら、
何故1月ではなく2月なのかといいますと、
それは多くの寺社の行事と同様に「旧暦」で行うためだそうです。
旧暦では「節分」が文字通り、節(年)を分ける日なので、
新年は2月からとなるわけです。
だから、キツネがここに登場です。
三、「椀 ○」
蓋を開けると、
そこは彗星です。
かつおだしのみのお吸い物に、
オブラートで包まれた柚子釜(24時間水でさらした後、蜜で炊かれたもの)が泳いでました。
オブラートを破ると、
3つの炒った大豆がお目見えです。
四、「肴 あん肝 うど」
水酢が染みこんだあん肝と、
やや甘みのある水酢が行き渡ったうどが重なり合ってます。
五、「煮 かぶ 白魚」
350年前から生きている「宗入」という器に、
色んな角度から包丁が入った聖護院かぶらが、
かつおだしだけで炊かれてます。
その上に、
生の「雪間草」が散らされ、
さらに、
ふんわりさっくり揚がった「白魚」がおしとやかに座ってます。
因みに、 雪間草=ふきのとうです。
六、「陸 鰆 幽庵」
笹の葉を炭で真っ黒に焼いた笹の山に、
幽庵焼きにされた鰆がいます。
それを女将さんが取り分けてくださいます。
笹の炭、お初です。
食べ終わると、
何とも可愛らしい喜界島出身の「けらじ」というみかんが、
こにみかんで、炭臭さをとってくれるそうです。
瞬く間に、炭臭が消えました。
魔法です。
七、「御菓子 慈姑 お茶」
ほんのり甘い慈姑は、
先の部分が鈴の模様になってます。
その後ろには、
慈姑と薄力粉と玉子で作られたもちもちのお焼きがいましたが、
これは油揚げ(キツネ)に見立てているそうです。
お部屋は、
湯島天神の12の絵馬と、
椿のしつらえで染まります。
お手洗いは、
黄金色と朱色の菊が凛とした態度で前を見てます。
いつものことながら、
女将さんから、
日本古来の話を聞き、
また知りえなかった日本を知ることができました。
帰り際、
「あんたぐらいの歳の人はうちに来てないんだから、
あんたと同世代の人に、
ここで学んだ日本の文化を伝えなさい。
年上でもなく、
年下でもなく、
同世代の人にだよ。
でも、もっと勉強してからだよ。
そして、
あんたが生まれ育った歴史ある出雲のこと、
いっぱい伝えていきなさい。
分かったかね。
来月もちゃんと来るんだよ」と、
女将さんから肩をバシッと叩かれて、
熱いお言葉を頂きました。
さらに、
「今年はね、
60年に一度の最高の年回りだから、
それをよく知って、
自分の変化を受け止めて生きていくと、
とてもいいことがあるよ。
あとは、故郷出雲にも帰りなさいね」と。
だから、
ここまで読んでくださった皆様もきっといいことあります。
みんなで仕合せになりましょう。
:追伸:
2009年の新暦1月1日は、「1月26日」に該当するそうです。
よって、
春:1月26日から
夏:4月25日から
秋:8月20日から
冬:11月17日から
となるようです。
今日知りました。
そんなことも知らない日本生まれ日本育ちの私なので、
やっぱりもっともっと日本についても勉強しなきゃです。
だから、
親友 と、「かっぱえびせん(梅味)」でも食べながら、
「女性自身」さんの“こたつでみかんアート”を見ながら、
「けらじ」の香りを感じながら、
勉強します。