野球やゴルフに効く「腕振り筋」のトレーニングNO.5(肩甲上腕リズム) | ゴルフツアープロコーチ・野球トレーナー摩季れい子

今朝はいい天気で、関西メディカルスポーツ学院プロゴルファー科の宮嶋君とモエちゃんのラウンドチェックを行いました。


でも午後から風がものすごくきつくなり、雨も降り出し、気温が下がりました。そんな中でも、二人ともいいショットが打てるようになって来ています。


さて、最近は、ヘッドスピードを上げたいとか、飛距離を伸ばしたいために、ゴルフ練習場でもクラブより重いウエイトステックのような棒を振って練習をされているゴルフ愛好家の方をよく見かけるようになりました。


シャドーであっても体の回転にウエイト棒や重たいマスコットバットが振り遅れないようにするためには、下半身と体幹、肩の安定力、腕振り筋の伸びながらの力が必要です。


そして、腕を振りぬいた後にブレーキをかける広背筋などの伸びながらの力が求められます。


肩を傷めないためにも、前回までに紹介した広背筋や菱形筋、僧帽筋や三角筋などのストレッチを練習前と練習後に必ず行ってください。体も回りやすく、フォローも取りやすいなぁーって、感じてもらえると思いますよ。


さて、球速やヘッドスピードを上げたい、スイングを安定させたいと願う人にとって、腕を振る支点となる肩関節の安定は必須です。そこで少し専門的になりますが、肩のメカニズムを知っていただきたいと思います。


肩関節は、肩甲骨・鎖骨・上腕骨の3つの骨がつながっている関節部と、体幹に連結している関節部からできています。


肩関節は一つの関節で動いていると思われがちですが、実は複数の関節の総合力で動いています。ですから肩関節は複数の関節が連係し合うことで円滑な肩運動ができる訳です。


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肩運動に作用する関節群

①胸鎖関節

②肩鎖関節

③肩峰上腕関節

④肩甲上腕関節

⑤肩甲胸郭関節





複数の関節の内の一つが肩甲骨と上腕骨で作られている肩甲上腕関節です。この関節が通常、「肩関節」と呼ばれています。


この関節のコントロールに大きく関わっているのが肩甲骨なのです。腕の動きと一緒に肩甲骨がどれだけリズム良く動くかによって、肩の安定と腕の動く範囲も決まります。



挙上⇔下制    上方回旋⇔下方回旋
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     外転⇔内転


この肩甲骨と上腕骨が連係して動くリズムを「肩甲上腕リズム」と言います。


以前、この「肩甲上腕リズム」については詳しく説明をしましたので、もう一度、確認してくみてださい。

http://ameblo.jp/makicreation/entry-11464545785.html


肩甲骨は胸郭の背部にあって、肩の動きに連係して動きます。


肩は、肩甲骨の関節窩という受け皿が腕の骨(上腕骨)と一緒に動いてくれないと、肩関節の周りの組織(腱板・関節包)に上腕骨の骨頭がぶつかって、炎症を起こしてしまいます。


私がスイングコーチとして関わってきた多くのプロゴルファーや研修生も、肩周囲に違和感や痛みを訴える選手が少なくありませんでした。


また、野球選手では投手や遠投などを繰り返す外野手に、肩周囲に違和感や痛みを訴える選手が多くみられました。特に練習量が多い高校球児はかなり多くいました。


また、肩甲骨の動きが悪いと、ピッチングでボールがスッポ抜けるとか球速が上がらない。バッテイングではミートはできてもホームランやライナーが打てない。ゴルフでは飛距離が伸びないといった結果を招きやすくなります。


以上のように、肩甲骨は野球選手やゴルファーが求めるバッティング、ゴルフスイングの軌道の安定やインパクトのコントロールをする大切な役割を果たしている訳です。


そこで、肩甲骨がいい動きができているかどうか、腕振りに肩甲骨がついてきているかどうか(肩甲上腕リズム)をチェックする方法を紹介します。


簡単にできますからこの機会にぜひ、ご自身の肩甲骨の動きをチェックしてみてくださいね。


1)肩外転挙上テスト

目的:肩甲上腕リズムの連動性を見る。



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方法:
①立位でも座位でもよい。姿勢を正し、両腕を伸ばしたまま体側から真横に腕をゆっくり上げていき(肩外転挙上)、頭の上で両手のひらを合わせる。



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注意点:肩の高さまでは手のひらは下に向け(内旋)、そこから上を向け(外旋)、耳の横まで腕をもってくる。

肩すくめや体幹のブレが起こらないように注意する。肩に痛みが生じた場合は、チェックを中止し、専門医の診断を受ける。



チェックポイント:左右ともスムーズに両腕が上がり、両手のひらを合わせることができればOK。


2)結髪テスト

目的:腕を動かす時の肩甲骨の外転運動(背骨から離れる動き)を見る。


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法:①立位でも座位でもよい。姿勢を正し、両手を頭の後ろで軽く組み、両肘を横に広げる。


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②両肘を顔へ同時に引き寄せて合わせる。


注意点:肩を上げずに一定の高さを保つこと。




チェックポイント:両肘を顔の横から真正面へスムーズに動かし、合わせられるかどうか。



3)結帯テスト

目的:腕を内側に捻じるときの肩の柔軟性と肩甲骨の内転運動(背骨に近づく動き)を見る。


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方法:
①立位でも座位でもよい。姿勢を正し、一方の手を背中に回して、反対側の肩甲骨の末端(下角)を触る。


注意点:手のひらは外へ向ける。



チェックポイント:痛みを感じずに触れるかどうか。



上記の詳しいチェック法や肩甲骨が動きにくい場合の改善法は、私の著書『野球選手の故障予防と投打のバイオメカニクス 』をご覧ください。





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