およそひと月前、父が急逝した。

私は父が「この世のどこにももう居ない」ということがこんなに辛く感じると思っておらず、どれだけぶりかわからないが、目が腫れるほど泣いた。

更に、父について何も知らなかった、という自分を、心底悔やんだ。

もっと色んな事聞いておけば良かった、もっと色んな事話しておけばよかった、そんな事だらけ、だった。

 

買い物先で、父と似たような背格好の人を見ると、不意に父を思い出し、同時に、いつものように「おぉぅい!」とニコニコ手を振って近づいてくる父に、もう「2度と」会えないんだ、という思いが過ぎり、突然ブワッと涙だけがボロボロこぼれたりもした。

 

父を見送り、自分がこんなに悲しむだなんて思ってもみなかったので、ああ、私はやっぱり父のことを慕い、そして、愛されていたんだなぁ、と知った。
それはそれは、私が思っていた、自覚していた以上に。
 
 
 
今は、いろんな手続きを手伝いながら、なんとなく日常に戻っている感覚。父が亡くなったことは受け入れているような、受け入れていないような。幻のような。