昨日の記事の続きです。
どこの国でも捨て犬&猫は問題になるもので、イタリアも例外ではありません。
一体どういう経緯でこの国が『殺処分を法律で禁ず』と決めたのか定かではありませんが、とにかく殺処分してはいけないんです、イタリアでは。
その他にも、ペットショップでの犬猫のケージ販売も禁止。
飼い犬へのマイクロチップの義務化。
野良猫の避妊手術無料※指定の獣医さんにて
等など捨て犬&猫問題に有効と思われる対策を実施。
保護された捨て犬&猫がどうなるのかと言うと…
非営利団体が運営するシェルターに保護されます。
こちら、私の住む村の近くにある『Parco Zoofilo Val Di Maso Rifugio Del Cane Abbandonato』。
180頭のワンちゃんを保護できるとっても大きな施設なんです。
犬舎の一部↑
広々としたドッグランも2か所あります。
この施設のオーナーが4年前作ったこのシェルターは、犬舎の掃除をしたりワンちゃん達の運動と躾のサポートをするボランティアさん達によって支えられています。
善意の寄付と近隣の地方自治体からの補助金によって運営しているそうです。
大小合わせて60の地方自治体との取り決めで、現在受けている1年間の補助金は『市民1人につき50セント(約70円)』。
9千人の住む私の村からは1年間に63万円の補助金が支払われていることになります。
みんなが1年間にたった70円払う事で犬や猫の殺処分を無くせるの?!
いえいえ、捨て犬&猫を救うのに一番大切なのはお金ではないんです。
新しい家族を待っている捨て犬&猫を積極的に家族に迎えてくれる里親さんがいないとシェルターはあっても保護する犬猫が増えるばかりでこのシステムは成り立たちません。
このシェルターに保護されたワンちゃん達は、ほとんどが理解ある里親さんに引き取られて行くそうで、どうしても里親の見つからない仔は終生ここで暮らします。
捨てられた仔達には、噛み癖があったり躾に問題があって捨てられる仔も多いので、ドッグトレーナーのボランティアさんがしっかり躾をするそうです。
これ、とっても大事ですよね。犬の躾って本当に難しいですから。
シェルターで新しい家族を待つワンちゃん
年間200匹保護する捨て猫は、保護されてもすぐに里親に引き取られて行くそうで、私が見学させてもらった時には保護猫は1匹だけでした。
ペットを飼おうと思ったら、お金を出して買うんじゃなくて、まずはシェルターへ。
そんな社会づくりができているんですね。
だけど、里親さんを探す努力はやっぱり大切。
次回は、イタリアの捨て犬&猫の里親探しについて書きたいと思います。
つづく