2025年5月9日。朝。
今年で満82歳になる父が足の骨を骨折しました。
もともと脳梗塞の後遺症で半身麻痺のある父は
自宅のリビングで立ったまま髭剃りをしていて、
クシャミをした瞬間にバランスを崩して転倒しました。
出勤前の私と母の2人では痛がる父を起こすことが出来ず、救急車を呼びました。
急性期病院へ搬送されて、検査の結果、
大腿骨頸部(大腿骨の股関節に近い部分、骨頭のすぐ下の細くなった部分)を
骨折していました。
そのまま緊急入院となりましたが、
この日から私達家族にとって苦難の生活が始まりました。
今まで何度も病気で入院&手術の経験がある父ですが、
すべてコロナ禍前で、母が付き添わない入院はありませんでした。
ところが今回は面会がとても厳しくなっていて、
ボルトを3本入れて骨を固定する手術をした急性期病院はもちろん、
リハビリ目的で転院させられた総合病院も
月曜日から土曜日の午後15時から17時の間で1回30分間、2名まで。
(時間を過ぎると事務員が退室の催促に来ます!)
脳梗塞の麻痺と骨折の不自由さとが重なり、母の介助を受けることもできない父は
食欲が落ち、
睡眠障害が出て、
認知症が出たのか?せん妄が出たのか?目つき顔つきが変わり、
(せん妄:せんもう。覚醒しているときの水準の低下が進み、見当識障害、注意力の散漫、判断力・集中力の低下、思考や気分の不安定化、錯覚や幻覚などの意識障害が発生し、攻撃的になったり暴力を起こすこともある。)
毎日欠かさず面会に行く母を困らせる発言が増えて、
2ヶ月と2日の入院生活で10kg痩せました。
転院初日に受けた血液検査で腎臓の数値が引っかかり、
腎臓食になってしまったことも大きな要因です。
本当は退院まで、もう1ヶ月くらいかかる予定だったのに、
入院後2回目のカンファレンス(治療方針や退院後の生活について話し合う会議)の後で
「ワシがどんな思いをしてココへ居るか!!!」
とブチ切れて、急遽、退院が早まりました。
退院したい一心で1日2回のリハビリは頑張っていたので
手押し車で病棟内を1人で歩けるようになるまで回復しましたが、
帰宅した途端に、手押し車は絶対に拒否。
杖を両手で2本持って歩行しています。
この暑さなので外へ出かけることはせず、家の中で過ごしているので
母も私も黙認していますが。
入院中はあまりテレビを見ておらず、静かな病院で過ごしていたはずなのに?
なぜか耳もかなり悪くなりました。
帰宅してからは、体力も薄皮を剝ぐように回復していますが、
おそらく元通りにはならないでしょう。
「お年寄りが入院するとボケる。」
と言いますが、こういうことなのだと実感しています。