若い時には分かりませんでした。
『年齢を重ねれば重ねるほど、頭が固くなり、プライドも高くなる。』
ということが。
ですが、
44歳9ヶ月11日で転職した私も例に漏れず、カチカチ頭でプライドの高い女になっていました。
介護施設での業務のひとつに “ レクリエーション・リーダー ” というのがあります。
爺婆様が頭と身体を楽しく使う活動時間の司会進行をするわけです。
この業務は介護職員のほとんどが嫌がります(苦笑)。
大勢の爺婆様を前に司会進行しなくてはいけない訳ですから。
そのレク・リーダーを私が務めることになり、職員が何人も
「マキチャントッシュさん、もう、レク・リーダーやらされるの?」
「しかも2日連続でしょ?あり得んわ!」
などと心配してくれました。
でも実は私、嫌ではありませんでした。
前職場ではたびたびレク・リーダーをしていたし、
そのための、いろいろなネタを作るのも苦ではありませんでした。
そして、転職して1ヶ月13日目、私は緊張しながらも自信を持ってレク・リーダーを務めました。
ところが、その結果は意外なものでした。
指導係の先輩職員が後から私に聞かせてくれたのは、
(身体を動かす体操をしているときに) 「ここは幼稚園かと思った。」
(今日は何の日?という歴史の話をしていた時に) 「ここは外国かと思った。」
という意見が出ていたよ、というものでした。
その衝撃は時間が経つにつれ大きくなり、私はかなり落ち込みました。
もし、私がもっと柔らか頭でつまらぬプライドがなければ、素直に
「そういう意見がありましたか!では、次から改善します!」
と前向きに捉えておそらくこんなにショックは受けなかったと思うのです。
そんな自分に嫌気がさしました。
その日の夜のこと。
ドンヨリした気持ちでいると、前職場で仲の良かった職員からメールが入りました。
利用者○○さんの息子嫁さんが
『マキチャントッシュさんが居ないのが残念です。 とても良くしてもらったから。』
って言ってたよ!
『(面会時に時々見かけた) マキチャントッシュさんの “ 今日は何の日? ” の話が良かった。』
『(手のかかる舅爺さんの介護をしている人なので) 無理をしないでくださいって気遣ってくれたことも嬉しかった。』
だって!
いつの間にか見なくなったから寂しがってたよ♪
私、目がウルウルしました。
爺婆様じゃなくて、まさかそのご家族が私を見ていてくれたなんて!
ご家族の言葉を知らせてくれた元同僚にも心から感謝。
私、明日からまた頑張れる。