「子宮筋腫ができてますね。」
先生からの思わぬ言葉に
「え?」
そう言ったきり、私は一言も声が出なかった。
そして、みるみるうちに目から涙が溢れ出し、止まらなくなった。
「どうして私が?!」
「お父さんが脳梗塞で、私が子宮筋腫?!」
「お父さんとお母さんには、とても言えない!」
「これから、どうしたらいいの?!」
その思いが頭の中をグルグルまわり、
椅子に座っているのがやっとだった。
当時の私は子宮筋腫に関する知識がまったくなかったので、
“筋腫=腫瘍=癌”だと思い込んでいた。
笑われるかもしれないが、無知とはそういうものだ。
先生が何かを説明しているけれど、ほとんど頭に入ってこない。
1週間後に再び来るように言われ、
よろめくように病院を出た。