久方ぶりに、地下鉄四つ橋線などに乗ってみる。うふ。
なんか、薄暗ーい感じは8年前とまったく変わらない。
そして、昔なつかし四ツ橋駅におりたって・・・・・
なんじゃこりゃアア!四ツ橋駅から、なんか変な地下通路が
出来とるやないの!(北出口っていうんですか。本町寄りの改札のとこです)
知らんうちに、変な地下鉄が開通しとったわ、ああ、驚いた。ナニワの
魔窟への入り口ちゃうかいな、とぶつぶつ言いもって階段を昇っていくと
またもや「なんじゃこりゃアアアッ」な驚きがあった。
変わっておらんのである。8年前のデジャビュか白昼夢か、四ツ橋駅チカは
薄暗い蛍光灯の下、なーんにも変わっていないのである。ベタなPOPがべたべた
貼ってある薬局やら、くたびれた会社員がへたっている喫茶店やら、コアな飲み屋
などが8年前、というより、ワシがピチピチの新入社員だったころの18年前と
なんら変わってなかったのである。きょうび、イノシシが沢山いる山口県岩国市の
ほうが遥かに街に変化があるわい、と目まいを起こしながら地上に這い出る。
 うう、あんまり変わり映えのせん所やのう、と一人ぶつぶつ言いもって
世界最強に辛いカレー屋の「らくしゅみ」を目指し、ワシはてくてく歩いたよ。
おお、この横丁もまったくなんにも変わっておらんし、「らくしゅみ」の店構えも
まったく昔とかわらんぞ。ただ、なんで、11時半に「らくしゅみ」に着いたのに
もうずらっと行列ができとるんや。えっ、なんでや。
そりゃ、昔からこの店は四ツ橋界隈の兄ちゃん姉ちゃんの肝試し的、また、
強烈な辛さにアタマラリパッパになったらくしゅみジャンキーたちが
12時の時報とともに会社ダッシュしてくる人気店ではあったよ。
だからこそ、昼時前の11時半に店に行ったら、がらーんとして、
チャイまでゆっくり飲めたというのに、なんじゃこりゃアアア!
ガイドブック片手に「あった、あった!ここや、ここや」など言いもって
観光客まで並びに来るやンヶ!アホかっ!「らくしゅみ」はネクタイ着用及び
OL制服!ほんでもって半径200メートル以内の会社に勤務する人間しか
入店できんのじゃ!マハラジャと一緒で入場制限があったんじゃ!と、一人
静かに怒っておって、ふと、不安になった。たまらなく不安になった、と
言ってもいいぐらい、ヤバイ気持ちになった。
 それは「人気店味没落の法則」がアタマをよぎったのである。
古今東西、有名になって、人がようさん来て、味の落ちた店は星の数ほどあるわいな、
らくしゅみよ、お前もか、と、肩を落として行列に加わって、待つことしばし。
暗い店内に入って、暗い気持ちで「チキン、大盛り」 と頼んで、また待たされて
やっと出てきたラー油で煮締めたようなおどろおどろしいカレーを一口、口にして、
がびーーーーーーん!脳天に激烈な辛さがビリビリして、ぶわっと頭頂部から汗が
噴出し、そしてほわほわほわーん、と舌に旨みが広がってきて・・・・・・・
おお、おお、「らくしゅみ」よ、ごめんなさい、一時とは言え、味が落ちたなんて
疑った我を赦したまえェェェェェ! アンタも何にも変わってへんかった!
美味しいままでよくぞ、よくぞ、変わらないでいて下すったァ!オラ、嬉しいだべやぁ!
ワシは汗と涙がどばあっと吹き出したね。山口県にはこんなカレー屋なかったもん。
どれだけらくしゅみのカレーを食べたかった事か。そして8年ぶりに食したらくしゅみは
寸分たがわず、8年前と全く同じの、辛さと美味さを保っておったのである。
奇跡と言わずしてなんと言おうかいな。うむ。旨かった。
 でも、この、四ツ橋界隈。時間が止まっておるんとちゃうかいな。