野村選手の復帰戦 | ほんわりびより

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 昨日、柔道男子60kg級の野村忠宏選手について、密着レポートと試合中継を組み合わせた番組が放送されました。

 96年アトランタの時は、無名選手。
 私も、女子の田村亮子選手しか見てませんでした。
 報道だって、金の野村選手より、銀の田村選手のほうがずっと大きかったです。
 シドニーの時も、野村選手の連覇より、田村選手の「3度目のオリンピックで、初めての金!」のほうが話題になりました。

 でも、そのシドニーの試合放送を見れば、あまりに鮮やかすぎる技で連覇した野村選手のことは、自然と目に入ります。
 その見事な背負いと、男前な顔に心を奪われて、スポーツ新聞に載っていた結婚式の写真もスクラップしてるくらいです。

 アトランタの頃のVTRを見ても、そんなにカッコいいとは思いません。
 でも、年を追うごとに、顔つきに深みが出て、魅力が増していってると感じます。
 それに、今回の放送を観て、顔や技のカッコよさだけじゃなくて、精神力に目を奪われました。

 北京選考の後、あんなにカメラが入っていたなんて、知りませんでした。
 膝の手術をして、それから長いリハビリ。
 選手に復帰できるかどうかは経過次第、という状態が1年くらいあったはずです。
 そんな間の通院の様子なんて、取材の人に見せたいものじゃないでしょう。
 選手続行が可能かどうか、医師の最終判断が出るという日まで、カメラがついてきてました。

 野村選手のインタビューを見ていると、「嘘はつきたくない」という気持ちと、自分の立場や発言の影響力を自覚して慎重に言葉を選んでいる様子が、伝わってきます。
 すごく思慮深い表情してます。

 野村選手の公式ブログは、すごく軽い文章で書かれてます。
 たまに「辛い、きつい」が出てくることはあるけど、たとえば目当ての特売品が売り切れていたような、日常生活のちょっとしたショックくらいのニュアンスです。
 でも、その軽い調子の中に、どれだけの気持ちがこめられているんだろう・・・と、いつも思います。

 そして、試合のほうは・・・
 ドキュメントばっかりで、いっこうに試合中継にならないことから、初戦敗退は予想できてました。
 生中継じゃないですから、時間的なネタバレは仕方ないです。

 復帰戦は厳しい結果になってしまったけど、たとえ、仮に、もしも、このまま勝てずに引退することになったって、野村選手が偉大な柔道家であることは変わらないと思ってます。
 でも、もちろん、これから世界の大舞台に出て行ってほしいです。

 女子の佐藤愛子選手も大好きですが、それとは全然違う気持ちで、野村選手を応援してます。