明日、
ちょっとした内輪のホームコンサートをするので、
調律師の志乃ちゃんに来てもらって、
ピアニーノの調律をしました。

編集学校[離]のバッタバタで、
そもそも時間がない上に、
自宅がカオスだったせいで、
しばらく開いてなかったホームコンサートですが、

秋からぼちぼち
と思っていたら、
夏だけ帰国している方に合わせて会を、
とリクエスト頂いたおかげで、
想定外に早く、
リスタート出来ました。

ホームコンサートの主役は、
ピアニーノという名前の、
186才のフランス製アンティークピアノです。
(現代のピアノも弾きますが)

ピアニーノ(ちいさなピアノ)というだけあって、
80鍵(通常88鍵)しかない、
ショパンの時代のピアノです。

ローズウッドの猫足で、
当時のフランスの家具の流行も感じられます。

現代のピアノは内部が金属で頑丈で、
音も良く鳴りますが、
すべて木でできているピアニーノは、
大きな音が出ないし、
かすれたり、アクションや内部構造の摩擦音が、
一緒に聞こえてきます。

「これはピアノじゃないね」
という人もいれば、
「懐かしい〜昔のピアノの音だ!」
という人もいます。

「なんだか癒やされる」
とインスタライブの録音を子守唄にされる方もいれば、
「ほっとした」
と涙を流される方もいます。

わたしはといえば、
ピアニーノに出会ったときからもう身内感覚で、
全盛期にはパリで活躍していたであろうピアニーノを、
もう一度、幸せにしなきゃ!
という謎の使命感が、
いまも続いています。

最初に出会ったときは、
ゴミ同然のボロボロで、
半解体されて音も鳴らない状態でした。

和田さんの修復のおかげで蘇り、
うちにやってきたのが、
2018年の11月。

ちなみに、
ピアニーノが我が家にやってきたときの、
「ようこそ!ピアニーノ」
という記事が、
ブログ最初の投稿です。
うっかり始めたら止まらなくなり、
今日の記事が1909記事目だった。
(我ながら好きだね〜)

あの頃は、
借りてきた猫(猫足だし)状態だったピアニーノも、
いまでは、
我が家の御神体のような堂々たる顔をしています。

志乃ちゃんとも話していたのですが、
音がどんどん変わるんですね。

修復された部分と古い部分が馴染んだり、
東京の気温や湿度などの環境に馴染んだり、
毎日弾くことで、
ピアノの隙間の見えない部分に、
生命力のようなものが漲ってくるのかもしれないです。

雑音やノイズに、
ピアニーノの息遣いを、
感じるときもあります。

修復された和田さんから、
ピアニーノを渡していただいたとき、
「このピアノは対話するピアノですよ」
と言っていただいたとおり、
ピアニーノはどんどん饒舌になっていくよう。

すごーくお婆さんになったら、
森の中の一軒家で、
ピアニーノと対話して暮らし、
「森に魔女がいる」
と噂になるのとか、
とっても憧れます。