高いステータスを持つ事が素晴らしいことだと思っていました。
それこそが人から愛され敬われる方法なんだと思っていたのです。
だいぶ昔のことです。
ある出来事があって、
この街にいる事が出来なくなりました。
その時に面倒をみてもらった方に、
それまでやり取りをしていた全ての人達と一切の連絡を取ることを禁じられました。
そして誰も知らない人ばかりの街に連れていかれました。
そこには私と私の過去を知っている人は誰もいません。
そこには私のステータスはなにもないのです。
まわりの人たちからは、
強い口調や軽んじられる扱いをうけ、
とてもさみしい気持ちを感じました。
世界で一番不幸だと思ってました。
しばらくたって、
面倒をみてくれた方から、
昔の交友関係の中から、
1人だけ連絡を取っても良いとの許しを得る事が出来ました。
そこで私は少し考えて、
この街で通用するステータスを持つ女性を呼び寄せることにしました。
彼女が街にやってきました。
彼女のステータスは本物でした。
あっという間に人気者になり、
合わせて私のステータスも一気に上がりました。
まわりの人たちは、
常に明るくて優しい言葉をかけてくれて、
とても大切にされていると感じました。
けっこう幸せだなと思いました。
私は気がつきました。
ステータスというものは非常に一時的なものであり相関的なものであるのだと。
上にいるとそこから落ちてしまわないかと心配になります。
そこに脆弱性を感じて立っているのにも関わらず、
下の人から見ると見下されていると感じます。
妬ましいと思う人もいるでしょう。
誰かに引きずり降ろされるかもしれないので、他の人を怖れることにもなりかねません。
これは人生最大の恐怖です。
だから私は決めました。
人を見下すことをしない。
人を見上げるようなこともしない。
そこに上がるも下がるもなければ、
そこに怯える必要もない。
平等でフラットでいることが、
心の穏やかさを手に入れる方法だという事が分かったのです。
謙虚ですね
腰が低いですね
オカマですか？
腹黒いですね
何考えてるか分からないですね
ホントは悪い人ですか？
ホントに悪い人ですね。
しょっちゅうそんな風に言われるのですが、
こういうあり方をするようになったのは、
こんなことも関係しているかもしれません。
そういえばこのまえ、
キャバクラ嬢に恋をしました。
桜井野の花ちゃんていう女の子。
なんで？
彼女は平等でフラットだと。
考えてみると、
会長、マリカちゃん、せんちょさん、
会ったことないけど、
みやめこちゃん、とんかつ君、
なんかいいなって思う人たちは、
総じてみんなそんな感じ。
そういう目線で物事を語る。
わざと悪口言ったり、
あえて憎まれ口を叩いて注目を集めようとしたり、
そんな安っぽい輩とは、
まるで目線が違うのです。
あーあ、
桜井野の花ちゃんのような、
影響力のある人間になりたい。
そういう人間になって、
「ミサイル撃つのはやめた方がいい」
って呟いたら、
10億リツイートされる人になりたい。
海堂くんとケンカしてる場合じゃない。
しゅうじさんと北朝鮮行ってこよ！
おしまい。
