前回の記事で解説した写真を構成する3要素「絞り」「シャッタースピード」「ISO感度」の3つを理解することで「ボケ」「明るさ」「精細さ」をコントロールすることができるようになります。


露出を自分で設定する場合は大体の目安として快晴の屋外の場合シャッタースピード1/250の絞りはf11でISO100でそれなりの明るさを確保できます。

曇ってきたらシャッタースピードを遅くしたり絞りを開放したりして写真が暗くならないように調整します。

曇りならとりあえずシャッタースピード1/250絞りf5.6くらいでそれなりの明るさになります。



その条件で背景をボケさせたい場合は絞りを開放気味にします。

ただ開放にしただけでは明るすぎてしまうので、明るさを調整するためにシャッタースピードを速くするか、またはISO感度を下げます。

写真全体にピントを合わせたいなら逆に絞りをさらに絞ります。

ただ絞っただけでは暗くなってしまうのでシャッタースピードを遅くするか、またはISO感度を上げます。


スポーツ撮影などで、動く被写体の止め絵が撮りたいならシャッタースピードを速くします。

しかしそれだけでは写真が暗くなってしまうので絞りを開放方向に設定するか、ISO感度を上げます。


このように精細さやボケ、ブレはすべて明るさとのトレードオフの関係にあります。

これを理解することで、思い通りの写真が撮れるようになりますので自分で露出設定をいろいろ試してみましょう。







写真を構成する3つの要素

それは「絞り」「シャッタースピード」「感度」

最近のカメラはそれらを自動的に設定してくれるため、カメラ任せで写真を撮っている方には馴染みの無い用語だと思います。

しかしこの3要素はフィルムカメラの時代から変わらない要素なので、写真をうまく撮りたいなら理解することをおすすめします。 



絞り(f値)

絞りとは、「光の量」を表します。この光の量を調整することによって「写真の明るさ」「写真のボケ具合」が決まります。どのくらい調整できるかはレンズに依存します。

絞りの数値が小さいと光の量が多くなり写真が明るくなります。またピントを合わせた部分以外がボケやすく(ピントの合う範囲が狭く)なります。そのレンズの最小絞り値を開放f値と言うこともあります。

数値が大きいと光の量が少なくなり、写真が暗くなります。また全体にピントが合う(ピントの合う範囲が広く)ようになります。

レンズ選びの際はなるべく小さい数値まで対応してる明るいレンズが望ましいですが最小f2.8あれば十分です。しかし開放f値が小さければ小さいほどレンズ口径が大きくなり、重量も増えるので機動性を重視するなら注意しましょう。

ちなみに昨今のデジタルカメラは暗い場面にも強いので、エントリーモデルの標準ズームレンズは開放f値がf4くらいです。基本的にズームレンズより単焦点レンズのほうがf値が小さいです。



シャッタースピード

シャッタースピードとは、光を当てる時間を調節する機能です。シャッタースピードは分母のみで表記されていることが多いです。

シャッタースピードが遅い場合は、それだけ長時間光が当たるため、写真が明るくなりますが、手ブレ発生のリスクがあります。

一般的には1/焦点距離より遅いと手ブレが発生するといわれています。焦点距離50mmのレンズなら1/60秒程度なら手ブレしにくい。1/30秒くらいになると手ブレしやすいということです。


シャッタースピードが速い場合は、短時間しか光が当たらないため、写真が暗くなります。しかし手ブレの心配もなく、動きのある被写体も残像なく撮影できます。


ちなみにシャッタースピードでBという表記がありますがこれはバルブと言って、シャッターを押してる間シャッターを開きっぱなしにすることができる機能です。Bモードは夜景などを撮影するときに使用します。



感度(ISO)

感度とはISOとも言いますが、写真の明るさと画質の精細さに関わる数値です。

ISOが低い、つまり感度が低いと写真に明るさを得るために多くの光が必要ですが高精細な写真になります。つまり高精細な写真を撮るためには十分な明るさが必要なのです。

ISOが高い、つまり感度が高いと少ない光でも写真に明るさを得られますが低精細な写真になります。携帯のカメラで薄暗い室内で写真を撮るとざらざらした画像になってしまうのはISOを上げているからなのです。



以上のように、3要素を理解しそれぞれ調整することで写真の仕組みがわかるとおもいます。

写真の明るさ、ボケ具合、精細さ、を自由にコントロールできるようにたくさん写真を撮って練習しましょう。






写真を趣味にしていると次々と新しいカメラやレンズが欲しくなってしまいます
特にフィルムカメラは価格が暴落しているのでいくらでも買えちゃいます
気がつけば防湿庫が使わないカメラでいっぱいに・・なんてことも。

新しいカメラやレンズが欲しくなったときにどうやってそれを回避すればよいか
写真家のEric Kimさんがブログで「物欲に負けない方法」を書いています
とても素晴らしい記事でしたのでぜひ参考にしてみてください

以下、ざっくりとした和訳ですがご覧ください


1 自分の弱さを認める

アルコール中毒者のミーティングで「私は---という者です。私はアルコール依存症です」という風な自己紹介をする場面をみたことがあると思います。

まずは自分が誘惑に弱い一人の人間であることを認めることが重要です。誘惑に押され、自制が効かなくなってしまう弱さを持っているのです。


2 物理的な抑止力を持つ

私はお金があるとすぐにライカのレンズやワニ革のブーツなどに使ってしまう性格なので、お金を使ってしまう前にガールフレンドに相談することにしています。彼女は私の財布の「門番」として散財を止めてくれるのです。


3 物持ちな仲間と付き合わないようにしよう

モノより写真にこだわり、カメラの話より写真撮影についての話が多い仲間を見つけましょう。当然、みんなカメラの話も大好きですが、そういった話題は最小限に留めることができる仲間を探しましょう。


4 ひとつのカメラ、ひとつのレンズにこだわれ

複数のカメラを持っていた頃はストレスを感じていました。例えばレストランで何かを注文するときにたくさんのオプションが選べたら、ベストな注文をしたつもりでも納得がいかないことがあるかもしれません。しかし元から選択肢が無ければそんなストレスを感じなくても済むのです。


5 そのお金で他にどんなことができたか考えてみよう

新しいカメラやレンズは高価です。写真集や旅行やフィルム代といったことに使ったほうが有意義なはずです。

6 フィルムカメラを買いましょう

たとえばパソコンなどは4年もすれば古くなります。デジタルカメラも同じです。毎度のように画素数が上がり、より美しく写真を撮れるカメラが次々と発売されます。ひとつのモデルも4年も使えば型遅れになってしまうのです。


7 カメラやレンズのレビューwebサイトを見ないこと

カメラやレンズのレビューサイトを見ることにたくさん時間を使うのはあまりおすすめできません。chromeやFirefoxのアドオンでそれらのサイトを見れないように設定することをおすすめします。


8 ボケやシャープさはそこまで大事では無い

ストリートスナップにおいてはボケやシャープさはそれほど重要視されていません。偉大なストリートフォトグラファーの写真を見て「素晴らしいボケだ!」「なんてシャープなんだ!」などという人はいないでしょう。


9 決して満足することは無いと気づくこと

モノでは真の幸福を得ることはできません。すでに散々言われてることですがこれが真実です。


10 たいていの物欲はただモノを自慢したいだけである

多くの人は購入の動機を「投資」だと言って正当化しようとします。しかしぶっちゃけてしまえば、私含めほとんどの人はモノを自慢したいだけなのです。


ERIC KIM STREET PHOTOGRAPHY BLOG



以上、物欲に負けない10のコツです

友人知人と過ごすかけがえのない時間こそが真の幸福をもたらす
とEric Kimさんは締めくくっています。

物欲に負けそうになったときこれらを思い出し
有意義にお金を使えるようにしましょう
現行レンズのレビューで四隅の光量落ちや四隅の解像度落ちを指摘する人がいます

例えば音楽で楽器の演奏技術にこだわる人もいれば全くこだわらない人もいるように
写真でも四隅の品質変化を気にする人と気にしない人がいます
極端な例だとトイカメラユーザーは「気にしない」側のリーダー格ですね

では四隅の品質変化を嫌うのはどういう写真ジャンルの人なのか考えてみましょう

まず望遠レンズを使うポートレートやワイルドライフ系ですが
これらは基本的に主役となる被写体があり、最優先は被写体の画質です
つまり被写体以外はバッチリ高画質である必要がありません
よって望遠レンズを使うジャンルは四隅の画質にそこまでこだわらないと考えられます

そうすると広角レンズを使うジャンルになる

まずストリートスナップですが、これも四隅の画質にこだわりません
国際的コンテストの審査員経験者であるEric Kimさんのブログで
ストリートスナップのコンテスト応募のコツを書かれてますが
画質については一切触れられていないというのが理由

となると、やはり風景写真が四隅の画質にこだわるジャンルではと考えられます
風景写真は隅々までが被写体ですので全体の解像度が均一であるのが好ましいでしょう
ハイエンドデジカメでの超高解像度な風景写真などは見ると圧倒されます

写真に絶対なマニュアルはありません
四隅の画質を気にするかしないかは個人の自由ですので
ネットのレビューはほどほどに参考にして写真を楽しみましょう
標準レンズで写真を始めて何となく追加でレンズが欲しくなった場合
よほど確かな目的が無い限り望遠レンズを買ってはいけません

カメラ使い始めのときは思い切って被写体に接近することに抵抗があったり
画角が狭いことのデメリットを想像できなかったりするので
本当に望遠レンズが必要かどうか慎重に判断したほうがいいです

望遠レンズ買ったけど結局あまり使ってないなんてよくある話。

ほとんどの大衆向けコンパクトカメラが広角レンズを搭載してることからも
基本的には望遠より広角のほうが使い勝手がよく扱いやすいことがわかります

まずは標準レンズを使い倒すこと
どうしてもレンズが欲しいなら広角レンズをおすすめします