2.5つが互いに影響しあう ---五行

 自然界の万物や現象を「」「」「」「」「」という5つの要素に分け、これらがお互いに助け合ったり、抑制しあいながらバランスをとって、変化して循環するというのが五行説です。

 五行にはお互いの力の循環を表す「相生」関係と、お互いを制約する「相克」関係があります。

 例えば、「木から火が生まれる関係」は相生、「木が土の養分を奪って成長する」のは相克です。

 このように相生と相克がバランスをとりあって自然現象は循環していきます。

 また五行には、五臓や味、季節などが対応しています。

 

 

3.食べ物の性質を5つに分類 ーーー五性 

 食材や生薬には、体を温めたり、冷やしたりする性質があります。

 この性質を食性といい、「」「」「」「」「」の悟性に分類されます。

 大きく分けて、熱や温は体を温め、寒や涼は熱を冷まします。

 また、平は偏った性質がないので、あらゆる体質の人の常食に向く食材です。

 旬の食材には、季節に適した食材があります。

 夏に旬迎える食材は体を冷やし、冬は温める食材が多くなります。

 

悟性 働き・効果   食材の例        
①最も体を温める作用が強い  

ニンニク、山椒、とうがらし、コショウ、羊肉、桂皮、乾姜、呉茱萸

       
  ②冷えを改善するので、寒い季節にとると効果的            
  ③冷えによる胃腸や関節の痛みを改善する            
  ④のぼせやすい人や体に熱がこもりやすい人は、取り過ぎに注意            
①体を温める作用があるが、熱により作用はマイルド  

しょうが、かぼちゃ、ニラ、ねぎ、桃、くるみ、くり、もち米、しそ、

       
  ②気血の巡りをよくして、冷えを改善する  

シャンチャイ、八角、エビ、鶏肉、酒粕、酢、人参、丁子、当帰、木瓜など

       
  ③胃腸を温めて、疲労回復を改善する            
  ④のぼせやすい人や体に熱がこもりやすい人は、取り過ぎに注意            
①体を温める作用も、冷やす作用もない  

キャベツ、とうもろこし、はくさい、やまいも、さつまいも、じゃがいも

       
  ②どんな体質の人がいつの季節に食べても、偏った影響を与えない  

りんご、ライチ、ごま、なつめ、うるち米、だいず、鴨肉、たまごなど

       
  ③常食しても安全な食材            
  ④ほかの食材の食材と組み合わせやすい            
①体を冷やす作用があるが、寒より作用はマイルド  

金針菜、セロリ、だいこん、とうがん、なす、レタス、なし、びわ、

       
  ②微熱やほてり、のぼせを改善する  

おおむぎ、はとむぎ、そば、せり、ワカメ、兎肉、さとうなど

       
  ③鎮静したり、消炎、解毒作用がある            
  ④体を潤す作用がある            
  ⑤冷えがある人は食べすぎに注意する            
①最も体を冷やす作用が強い  

きゅうり、にがうり、アロエ、くうしんさい、たけのこ、みょうが、

       
  ②のどの渇きや痛み、発熱を改善する  

もやし、柿、すいか、バナナ、アサリ、カニ、シジミ、こんぶ、塩など

       
  ③体に潤いを与えて便秘を改善する            
  ④解毒の作用がある            
  ⑤夏の体温調節をして、夏バテを予防する            
  ⑥冷えがある人は食べ過ぎに注意する