退院したら一番に食べたいものが、母親が作るハンバーグだった。
すっごい大きなハンバーグをたくさん作ってくれて、
すっごい美味しくて、たくさん食べて、それはそれはとても幸せだった。
っていうところで目が覚めた。
「手術終りましたよー。」
「声でますかー?深呼吸してみましょうー。」
「病室に帰る準備しますねー。」
とかなんとかいろいろ声をかけられたけど、まだ頭の中はハンバーグ。
少しづつ現実にかえってきて、息をするとのどがすごく痛い。
気管挿管をしたせいでのどが痛くなるとは聞いていたけど、
すっごいひっどいのどのタイプの風邪を引いた感覚に近い。声も少し出しづらい。
「大丈夫ですか?」と聞かれて、
ハンバーグの夢を話したらみんなが笑ったけど、今すぐにでも食べたいんだこっちは。
ストレッチャーで病室に帰ると家族が待っていて、
手術中に取った腫瘍を見せてもらって、詳しくは病理検査後だけど一応すべて取りきった
という説明を受けたと聞いた。
痛みはないか?と聞かれたけど、
のどの痛み以外はどこも痛くないし、なにしろまだあれこれ線をつけられてて動けないから
よくわからないと答えた。