図書館本。
元女子100mハードルの選手が主人公。
トラウマを抱えるが、友人に誘われビームライフルの世界へ。
そして高校の射撃部で才能が開花し…という青春小説。
全く知らない競技の話ではありますが、そこはベテラン著者の取材力と筆力。
転向していきなり高得点連発の全国上位選手ってのは、あ〇ち充漫画の主人公みたいでやり過ぎ感もありますが、フィクションなので仕方ないのでしょう。
そんなことを言い出したら、名作『風が強く吹いている』なんて市民ランナーが練習するのがアホらしくなるタイム設定です。
文句があるとすれば、何故舞台(=射撃部がある高校)を「全国屈指の進学校」設定にしたのかということ。
偏差値の高さと競技は関係ありませんし、努力できる人物感を出したかったのかもしれませんが、後半顕在化する部員の子どもっぽい嫌がらせやジェラシーはこの設定に合いません。
むしろド田舎の誰も行きたがらない高校に射撃部があるからあえて行く、とした方が物語としては適当ではなかったかと思います。