綾辻行人『十角館の殺人』 | たまには跳ばずに観るFOOTBALL

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観ていた名残り。

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)/講談社
¥810
Amazon.co.jp
先日まとめ買いした3冊のうちの2つ目を読破。

もやは古典とも呼べる作品だが、これは初めて読んだ。
「新本格」ってのは、てっきり島田荘司の『占星術殺人事件』が端緒かと思ってたわ。

いわゆる犯人探し、謎解き系小説。
登場人物がアガサやエラリィといった巨匠たちの名をニックネームにしてるのが違和感バリバリ。
当然、トリックに関わってくるだろうということは、子どもでも分かる話だ。

いわゆる「吹雪の山荘」「孤島の連続殺人」という設定で、今読むとやはり古さは否めない。
アリバイ作りの危険性、人が連続して殺されてるのに皆冷静すぎるなど、ツッコミどころも多い。
島田氏の「斜め屋敷」のように、もう少し「十角」の造形を巧く使えたような気もするし。

ただ、これは京大在学中に書いたデビュー作
そこを考慮すれば、やはりかなりハイレベルな作品ではあると思う。