小野寺史宜『リカバリー』 | たまには跳ばずに観るFOOTBALL

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秋田出身の埼玉住み。
読んだ本の感想やランニングの記録、競馬観戦、国内散策や
日々の出来事などを、とりとめもなくチラシの裏にウダウダ
と書いています。
ブログタイトルは遠い昔よくサッカーを飛び跳ねながら
観ていた名残り。

リカバリー (新潮文庫)/新潮社
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だいぶ前に読んで忘れていた・・・

息子を交通事故で亡くしたプロサッカーチームのベラテンGK・灰沢。
事故を起こした父が自殺した佳之也もまたプロサッカー選手の道へ。
リーグ最終節、何の因果か2人のチームが激突する。

うむ、「日程君凄い」というお話か(違)。

サッカーがテーマではあるが、エピソード的には重々しい話が結構入る。

初めて読む著者の作品だが、試合場面などは違和感なく、巧く描けていると思う。
難点というか「?」と思ったのは、やたら選手が酒を飲んでる場面が出てくること。
JFL選手でも、特別な時を除けば相当節制(基本飲まない)してたからなぁ。

逆になるほどと思わされた台詞も。

ニュアンス的には、
「一生懸命、必死にやって結果を得られるから良いのであって、
ただ楽しいだけを目的にするなら、別にサッカーじゃなくていいじゃないか」的なもの。
これは登場人物のプロ選手が言った言葉。

最近の何でもかんでも中学高校の部活時間をただ短くしようという風潮は、正直ギモンもある。
とにかく楽しい楽しいってだけじゃ、その中から学べるものも少なくなると思うぞ。
(教師の拘束時間問題はまた別の話だけど)

空手バカ一代にも素質ありそうな道場生を、鬼の黒崎が例によって鍛えたら道場をやめてしまい、
「空手を気楽に楽しむ? そんな発想もあるのか・・・」とマス大山が絶望するシーンがあったな。