朱川湊人『なごり歌』 | たまには跳ばずに観るFOOTBALL

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秋田出身の埼玉住み。
読んだ本の感想やランニングの記録、競馬観戦、国内散策や
日々の出来事などを、とりとめもなくチラシの裏にウダウダ
と書いています。
ブログタイトルは遠い昔よくサッカーを飛び跳ねながら
観ていた名残り。

なごり歌 (新潮文庫)/新潮社
¥680
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モノを増やしたくないので過去に読んだ本を再読する日々。
が、出張先で読むものがなくなり、暇つぶしに思わず買ってしもた。

昭和40年~50年代前半を描かせればこの人、という著者。
世代的には我々よりはちょっと上だが、当時の情景が浮かんでくるかのような見事な筆致。

間もなくお別れだが、実は今自分が住んでいるのもこの物語に出てくるような巨大団地。
恐らく、建築当初は夢のような住まいだったんだろう。

多くの人が住む団地だが、それぞれに人間模様があり、物語がある。
基本的には、生なる者(残された側)の視点から死者の名残りを惜しむパターンで話は綴られる。

子ども時代を思い出して、ちょっとノスタルジックな気分に浸りたいときに最適な一冊。