- なごり歌 (新潮文庫)/新潮社
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モノを増やしたくないので過去に読んだ本を再読する日々。
が、出張先で読むものがなくなり、暇つぶしに思わず買ってしもた。
昭和40年~50年代前半を描かせればこの人、という著者。
世代的には我々よりはちょっと上だが、当時の情景が浮かんでくるかのような見事な筆致。
間もなくお別れだが、実は今自分が住んでいるのもこの物語に出てくるような巨大団地。
恐らく、建築当初は夢のような住まいだったんだろう。
多くの人が住む団地だが、それぞれに人間模様があり、物語がある。
基本的には、生なる者(残された側)の視点から死者の名残りを惜しむパターンで話は綴られる。
子ども時代を思い出して、ちょっとノスタルジックな気分に浸りたいときに最適な一冊。