増田晶文『速すぎたランナー』 | たまには跳ばずに観るFOOTBALL

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ブログタイトルは遠い昔よくサッカーを飛び跳ねながら
観ていた名残り。

マラソンの世界記録は2時間4分30秒をカット へ。キロ2分56秒という驚異のスピードだ。

では、彼らが100キロクラスのウルトラを走ったらどうなるか。

かつて『ランナーズ』誌がこの疑問に答えた。

曰く、彼らは遅く走ることが出来ないので100%途中で潰れることになる


速すぎたランナー (週刊ポストBOOKS)/増田 晶文

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本書はスピードを抑えて走れず失速し、実績を残せなかったあるマラソン選手に焦点を当てている。

選手の名は、早田俊幸

そういや、去年の谷川真理ハーフ で見たなぁ。


「小学館ノンフィクション大賞優秀作受賞作品」らしいのだが、正直よう分からん。

そんなに大した出来かなぁ?

この本を読むと、早田がただの我儘なコドモにしか見えない

団鬼六の『真剣師小池重明』 のような愛すべきダメダメさ加減が感じられないのです。

たぶん書き方の問題で、アプローチの方法は他にあったと思う。


ただ、中山や川嶋など、ライバルランナーたちの言葉は重かった。

「マラソンに30キロの壁なんて存在しない」

確かに。

ウチら市民ランナーにはあるかもしれないけど、彼らは毎日40~50キロ平気で走ってるんだから。


存在しないものに怯えるがあまり、それが現実のものに見えてくる。

おお、まさに幽霊そのものではないですか。