去年作った短編映画『暁の記憶』の色(カラーグレーディング)を全部やり直してみました。
画像の上が古いバージョンで、下が最新バージョン。
【・作り直した理由……】
通常の作品ではカラーリストがいて、監督の目指す方向の色を作り上げてくれるのですが、この短編は自主制作だったのでカラーグレーディングからライティング、撮影まで自分で行いました。
当時の自分の技術力だとあれが限界だったのですが、今の技術でやり直してみたいとリマスター版を制作する事に。
【・撮影時の問題点……】
グレーディングの前に、今思えば現場のライティングの時点で自分が色々とやらかしていて、例えば1枚目の画像、主人公よりも後ろの背景を1ストップほど明るく撮ってしまっていた。
ライトの数も足らなかったのですが、本来であれば被写体と背景のライトを分けて、背景を2ストップ程下げるべきだったのに真逆に撮影。
その為、グレーディングで背景の明るさを落とす事、被写体との色を分ける事だけを考えて作業していた為、最終的に全体が暗く落ちてしまう方向に……。
【・今回の改善点……】
背景の明るさを落とすだけでなく、キーライトの方向から「太陽の差し込み」を入れる事により、上手は落ちてるけど下手は明るく、それでいて主人公に目がいくように。
(実際は背景の方がビガッと明るく、かつフラットなので、そこに立体感を持たせました)
撮影時の問題点を解消する為のグレーディングに近いので、クリエイティブな色作りという訳ではないですが、作業としてはかなり勉強になりました。
↓動画はこちら
『暁の記憶 |2021 Remastered版』