WebメディアのENCOUNTで
「若い女性は正社員として雇用してません」 女性社長が炎上覚悟の投稿 中小企業の切実事情
https://encount.press/archives/416381/
なる記事を拝見したので
その内容について感じたことを
記しておきたい。
この女性社長は大阪で二つの会社を
経営する弁理士だという。
またこの方は2歳児の双子を持つ
現役の母親という顔も併せ持つ。
ENCOUNTの取材に対する回答を
要約すると以下となる。
1. 大企業ほどのキャッシュフローはない。
2. 常に人手が不足している。
3. 仕事が属人化して代替が利かない。
4. ひとりでも寿退社や育産休したら回らない。
5. 産休を取る可能性のある若い女性を正社員登用しない。
6. 政府には中小企業に助成金を出してほしい。
7. 中小企業は来月の経営でさえ不透明である。
8. 中小企業で育産休制度を採用したら経営が傾く可能性がある。
9. 育産休制度は大企業だけで中小企業には則していない。
記者により感情的に書かれた記事は
読み手の理解をミスリードするので
敢えて箇条書きに番号を振ってみた。
さて、まず記事のタイトルから
すでに読み手に中小企業は可哀想な
存在であるかのようだが無視しよう。
すべての中小企業が同様の状況だと
印象付ける意図が見えるためだ。
この手の記事には度々見られることだ。
では、さきほど振った番号順に
改めて見ていこうと思う。
1. 大企業ほどのキャッシュフローはない。
これはあくまで今回インタビューを
受けた女性社長が経営する会社にのみ
当てはまる事実である。
ここで言う大企業の定義も曖昧なので
比較する意味はないが
国内の大企業で既存の事業を継続する
企業の中ではキャッシュに余裕のある所
などなく殆んどが減収減益だ。
ただ中小企業でも増収増益している会社
はあるしニュースでも見られるが
大抵は業態を拡張したり転換した所だ。
2. 常に人手が不足している。
これも大小問わず経営者らは同じことを
口を揃えて繰り返すばかりだ。
なぜ(欲しいと想う)人財が目を向けては
くれないのかを分析し手を打つことを
しないのか、が長年の疑問でもある。
3. 仕事が属人化して代替が利かない。
これこそ言い訳にしか聞こえない部分で
しかも日本では人に役割を与える・受ける
ことが仕事だと勘違いしている傾向が
非常に強いと感じる所以だ。
属人化することで人は機械のように
扱われる主因になるのと同時に
役割を受けた側も機械であろうとする。
これでは人財の流動性など実現できる
はずもなく事業転換しようがない。
4. ひとりでも寿退社や育産休したら回らない。
これは3と同じく属人化が主因なので
一台しかない機械が動かなくなれば
当然職場が機能不全に陥るのは当然だ。
そもそもひとりの人間が貴重な人生の
大半を注いでまで実現する価値のある
作業か?という観点が抜け落ちている。
5. 産休を取る可能性のある若い女性を正社員登用しない。
これは育産休に限らず、健康や年齢など
多様性への差別にも繋がる発想である。
そもそも男性は休まないという保証は?
という問いすらない。
6. 政府には中小企業に助成金を出してほしい。
これは国策としてあり得る。
国家が人口維持と幼児の健全育成に
歳出を割くことは意義のある用途である。
その理念に賛同し行動する企業への
助成金であれば国民の多くも納得は行く。
7. 中小企業は来月の経営でさえ不透明である。
経営環境に透明性のある業態などない。
それは株式市場を見ても明らかだ。
これも個人の単なるイメージに過ぎない。
8. 中小企業で育産休制度を採用したら経営が傾く可能性がある。
こちらもこの社長の会社環境のことに
限定される内容だ。
職場の作業がしっかりとシステマチックに
構築されていれば欠員を過度に心配する
必要などないはずなのだ。
場当たり的かつ属人的な作業環境は
過度に個人への依存度が高いために
ひとりが欠けても成り立たなくなる。
職場のリスク分散が出来ていない業態は
当然ながら倒産リスクも高くなる。
9. 育産休制度は大企業だけで中小企業には則していない。
ここまでの項目の説明から言えることは
これまでの過度に人への依存度が高い
日本的な起業思想・経営思想では
個人事業は営めても会社経営はとても
立ち行かないことが解る。
これは制度の問題ではなく、ましてや
人が休むことを否定するかのような思想や
就業環境で従業員を縛り付ける経営には
人財の方かはそっぽを向かれることだろう。
企業の大小に拘わらず事業理念から
実業の仕組みに至るまで理詰めで考え
仕組みの上に“人のスキル”を配置して
常に事業の変化に対応する企業作りと
人材育成市場の形成や再配属の法制化を
進めることが健全な労働市場を形成し
変化は多くても進歩的で新陳代謝のある
経営環境が実現できるはずである。