CarPlayから電気自動車(EV)へ…。Appleはどこへ向かい何を狙う?

2015年4月にはApple Watchがついに発売されますね。
エイプリルフールに発売などとメディアは伝えていますが、
相変わらずAppleはこうした印象的なメッセージや宣伝が上手です。
Apple Watchを題材にした以下の最近のネット記事では、
発表を急いだのでは?のような推測をしているものもあります。
→Apple Watchの出荷が、なぜか遅れてみえる理由
さてApple Watchがファッション界(特にメディア)で物議を醸すなか、
あまり一般には目立っていないもうひとつの製品があります。
カーナビ機能とともにiOSアプリケーションを提供するCarPlayをご存知ですか?
もしあなたがCarPlayをご存知なら、
きっとあなたはクルマ好きかホットなMacファンですね(笑)
さて、このCarPlayには主要なカーメーカーがパートナー企業になっており、
CarPlayは(カーナビなどの)テレマティクス装置とiPhoneを連動させるソフトウェアで、
Siri、Maps、SMS、電話機能といったiOSアプリケーションを提供してくれます。
それもSiriを利用した音声コマンドやタッチパネルによる操作で行えるため、
ドライバーがiPhoneを直接操作する必要がないので安全、
かつSiriとMapsを連動させたナビ機能を利用したiOSアプリケーションの登場で、
自動車での移動が今よりもさらに快適になることは疑いないでしょう。
また商用利用する企業側にとっても移動する顧客候補を自動的に特定し、
固有のサービスを最短の時間で提供可能となるメリットを享受でき、
需要と供給の双方のマッチングがますます効率化されることになります。
さらにこれから発展する高度道路情報システム(ITS)の適用も、
今後はiOSアプリケーションによって実現されかもしれません。
メディアが伝えたAppleが作る電気自動車とは?

ここ最近で以下のような記事がネットに上がっていたので拝読しました。
これらの記事の中では、Appleがミニバンのような電気自動車を実際に研究や開発をしていること。
またその任に着いているチームにはFord Motor出身のVice Presidentをリーダーに、
Mercedes-BenzのR&D出身の元トップと多分野の技術者で構成された約1000人が在籍していること。
そしてそれはまだ具体的な開発・リリース計画が示されているわけではなく、
CarPlayも含めた自動車関連にも応用可能な技術開発への投資となること、
以上が報じられている主な内容でした。
Appleの話題としてよく取り上げられるものは、
具体的な製品リリースを目指した研究・開発というよりも、
様々な分野へ転用可能な応用研究であることが過去にも多くあったように、
今回報じられた内容も同様なケースという可能性があります。
しかし少なくともすでにCarPlayによってAppleは、
iPhoneで培ってきた先進的なハードウェア・ソフトウェア技術と、
ユーザー中心のユニークなユーザーインターフェース技術を核とした、
自動車の新たな移動体験を我々に提供してくれそうな状況を鑑みても、
Appleが電気自動車を研究した成果がCarPlayと相乗的に機能する"何か"を実現し、
そして新たなビジネスフィールドを開拓してくれることへの大きな期待を感じます。
電気自動車開発で先行するライバルたち

現在の電気自動車分野で先行しているメーカーに目を向けてみましょう。
まず、電気自動車を市販するメーカーは米国のTesla Motors、Chevrolet(General Motors)、
日本の日産そして三菱の4社が主な開発・販売企業です。
そしてつい最近も以下のようにそれぞれのメーカーからは、
次期型の新型車が発表・販売されたり、充電施設の増設や、
バッテリー容量増加や消費電力の削減による航続距離の延長といった、
動力性能改善までいくつかのトピックが取り上げられています。
こうして見ると電気自動車はすでに普及期に入りつつあるように見えますが、
日本国内では燃料電池車であるトヨタ・MIRAIがつい先日突然に市販車として現れたり、
トヨタ自身から積極的に燃料電池車の技術特許を無償公開したりなど、
次世代自動車のスタンダードを奪い合う様相を呈してきました。
これからはこの燃料電池車と電気自動車という2つの自動車技術がぶつかり合い、
どちらかは淘汰されることになるかもしれません。
特に製造技術やインフラ面でどちらもまだこれからという状況。
より参入企業が多く、市場とビジネスチャンスを開く方が勝者となる。
そう考えた場合には現在のところは電気自動車が一歩リード、
と言えるかもしれません。
Appleにとって自動車関連製品に落とし穴はないのか?
実は先にお話ししたCarPlayはつい最近、
以下に挙げたカロッツェリアのCarPlay対応製品が国内でいち早く発売されています。
- パイオニア carrozzeria SPH-DA05II 7V型ワイドVGAモニター/Bluetooth/チューナー・スマートフォンリンク アプリケーションコントロールメインユニット SPH-DA05-2
- ●carrozzeriaカロッツェリアApple CarPlay対応SPH-DA700+地デジチューナーGEX-909DTVセット
- ●carrozzeriaカロッツェリアApple CarPlay対応SPH-DA700+ND-BC7バックカメラセット
しかしAmazonでのレビューを見ていただくと分かりますが決して芳しくない評価。
その最もな理由として、やはりApple Mapsの完成度の低さが主原因による、
カーナビ機能の使いにくさ(地図精度の低さ)が挙げられています。
元々MapsはiPhone4sを発売時に鳴り物入りで発表され、
一時はGoogle Mapsを公式のiPhoneでiOSアプリケーションから排除した結果として、
わざわざWebブラウザによってWeb上のGoogle Mapsを利用し、
AppleのMapsを一切しようしない人を出した経緯があります。
(実はわたしもそのうちの一人です。)
ネットではiPhoneでiOSアプリケーションのように、
Google Mapsをブラウザで簡単に表示する方法まで持て囃されました。
すなわちそれほどまでに地図データには経済的・歴史的価値があるということです。
Appleはその後にGoogle MapsもApple Mapsと並行して使えるようにしました。
それは地図データのアップデートを急ぎ精度を高め、
自社製の地図・ナビアプリとして完成させた上で、
iOSを利用したビジネスの主柱に据えるために他なりません。
実はGoogle MapsにもPremier License(1万ドル/年)という契約があり、
高度なジオコーディングサービス、広告の表示といったオプションサービスを受けられるとのこと。
→Google Maps API有料化の詳細発表、該当ユーザーは2012年初めに強制課金開始
このように地図データを自動車の諸情報(位置や速度など)と連動させた、
様々な情報サービスを搭乗者へ提供することが可能となります。
車内センサー間通信や車車間通信も含めた双方向通信上のデータは莫大で、
ビッグデータと総称するものの一部とし、
このビッグデータを統計技術によって様々な尺度で可視化することで、
消費者需要と市場供給のマッチングや新サービスを創生する技術が研究・開発されています。
そのビッグデータから抽出し統計解析に基づいたサービスを、
再び車内で搭乗者に提供するユーザーインターフェースまでの全てを担う、
ワン・ストップ・サービス(インフラ)の提供者としての主導権争いが今まさに、
AppleとGoogle、そして主要なカーメーカーの間で静かに繰り広げられているわけです。
別表:CarPlayとAndroid Autoのパートナー企業一覧
その主導権争いの話題として、
CarPlayとそのライバルとなるGoogleのAndroid Auto、
そしてトヨタ独自のG-BOOKを進化させたT-Connectを扱う記事が以下です。
- 初のAppleのCarPlay搭載車はフェラーリ新FF
- 「Android Auto」「CarPlay」両対応の市販カーナビが欧米で発売、日本は未定
- 「CarPlay」対応企業・ブランド数が31に、7割が「Android Auto」との両対応
- グーグルvsトヨタ、新テレマティクスサービスで融合?競合? 「アンドロイドオート」と「T-Connect」登場の意味とは
上記の記事にも実際にCarPlayを操作する動画も観ることができます。
この記事から感じることは、高級スポーツカーメーカーであるFerrariに、
いち早く対応してもらうことでCarPlayにも高級なブランドイメージを市場に与え、
高級車マーケットでシェアを拡大し高い利益率を確保する狙いがあるのではということ。
そして自動車への興味の有無に関係なく注目されるFerrariへ搭載することで、
幅広い消費者(高級品やブランドに敏感な購買層)に訴求する目的ではないかということ。
これらはApple Watchにも見られる広告戦略だと考えられます。
以上のような現況を踏まえるとCarPlayがAndroid Autoを一歩リードしていると思われ、
これはスマホ登場から普及期までの流れとそれほど変わらないような印象も受けます。
(すなわちAppleが早期立ち上げ・開発でマーケットを支配して逃げ切るという意味)
ダークホースと見られるトヨタのG-BOOK(T-Connect)はすでに400万台の搭載実績があり、
Appleを含む他の携帯端末企業を普及面から大きくリードしているように見えますが、
上記の「グーグルvsトヨタ…」でも触れているように車は単にアクセスポイントとなり、
スマホを初めとする携帯通信端末が全てのユーザーインターフェースを担うのが自然な流れとすれば、
最終的にはCarPlayとAndroid Autoの2強体制になる可能性が十分考えられます。
日本のトヨタや中国の百度(バイドゥ)も車載OSの開発に乗り出しています。
しかしアジア勢はどうしてもこうしたインフラや仕組み作りでリードした歴史を持たない。
どちらかと言えば磨き上げた固有技術を得意とする面が強く、
欧米の規格や法規を下敷きにしてきた歴史や自動車文化が欧米で華開いた歴史を鑑みても、
アジア勢が主導権を握るのは難しいと個人的には思われます。
こうして自動車産業の覇権争いは通信分野のみならず、
自動車技術分野全体に波及する予兆を感じてなりません。
Appleが自動車体験を再定義するのか!?

AppleはまだCarPlayの普及・改善と電気自動車開発に乗り出したばかりですが、
その先に見えるのは自動運転も含めた人にとっての自動車のあり方自体を再定義し、
培ってきた技術で洗練された新たなユーザー体験をサービスを通して提供し、
業界をリードしつつ仕組みによる集積性確保を狙っていると感じました。
テレマティクスと自動運転がもたらす社会を著した書籍のご紹介
最後にテレマティクスや自動運転に関連した書籍をご紹介します。
どれもそれぞれに平易で充実した内容のものが多いです。
最後尾にはスティーブ・ジョブズ氏の展望と重なる、
IOTの展望について理解することができるものをご用意しました。
今回の投稿内容や意図を少しでもご理解する助けになれば幸いです。
なお、IOTについてはわたしの以前の投稿も、
よろしければご参考ください。
- モノのインターネット(Internet Of Things)を個人的に考えてみた。Part 1
- モノのインターネット(Internet Of Things)を個人的に考えてみた。Part 2
| 商品名 | 商品写真 |
|---|---|
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| Google vs トヨタ 「自動運転車」は始まりにすぎない (角川EPUB選書) | |
| 自動車ビッグデータでビジネスが変わる! プローブカー最前線 (NextPublishing) | |
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