今回は、僕が敬愛する奥山清行さんについて取り上げたいと思います。
経済情報番組や日経新聞、ビジネス誌面で最近、露出する機会が増えたと感じていますが、
工業デザイナーとして紹介されることが多いです。
僕が彼の存在を知る機会を得たのも、
実はNHK放送のプロフェッショナル 仕事の流儀で奥山清行さんが取り上げられたことがキッカケでした。
プロフェッショナル 仕事の流儀〈7〉
そこから僕は奥山清行さんの著作物を読み漁り、
奥山清行さんがイタリアのピニンファリーナのデザイン・ディレクターを退任されてから日本へ戻り、
日本の産業をデザインの力で復興させようと孤軍奮闘し、
山形カロッツェリア研究会の立ち上げとKEN OKUYAMA DESIGNを設立されたことを、
以前の著書「伝統の逆襲―日本の技が世界ブランドになる日
」 を拝読して知ることとなったのでした。
KEN OKUYAMA DESIGNEのFacebookページ
そこでは山形でのものづくりのレベルの高さ(木工技術、鋳鉄技術、縫製技術など)が他では真似できない、
人々がお金を出してでも手に入れたくなる付加価値を提供できることを見抜き、
自らが主催する山形工房から様々に製品化しては、ミラノ・サローネといった海外の見本市へ直接出展し、
自らヨーロッパへ渡って売り込み、海外顧客の獲得をされていったことを知りました。
日本の地方は世界を相手にする前に東京という日本の中心地を目指す、という考え方そのものを棄て、
イタリアのように地方から海外へ直接に発信するビジネス文化の定着と、日本人の発想の転換を促すことを実践されました。
そしてその後の著書「100年の価値をデザインする: 「本物のクリエイティブ力」をどう磨くか (PHPビジネス新書)」では、日本人は個人力が優れており、団体力に劣ることを海外経験の中から得た知見を展開し、
すでに海外で活躍する日本人たちの存在と、これからの日本人は積極的に海外へ打って出るべきだと熱弁を振るわれています。
クリエイティブという言葉が独り歩きし、デザインという言葉とともに日本では誤って認識されている現状の説明から入り、
日本人の得手不得手の分野をその経験知から理論を展開し、今の日本のものづくりが向かおうとしている方向性に対して、
具体的なアンチテーゼを投げかけている。
こうして奥山清行さんは、一人の工業デザイナーから社会システムとしての産業構造をリファクタリングし、
付加価値を高める新たな産業構造へデザインの力で変えていくことを、目指されていることがよくわかりました。
著書「人生を決めた15分 創造の1/10000」では、奥山清行さんの想像力の幅広さと深さと具体性が、奥山清行さん直筆の貴重なイラストをカラーで転載されており、
これを見るだけでも奥山清行さんの発想力と想像力の断片を体験することができます。
これまでに触れた書籍で、奥山清行さんが著書を通じて日本の読者に伝えようとしていることは、
ほとんど網羅することはできますが、他には以下にも著書があります。
こちらはダイジェスト的なものだったり、まとめ直したものだったりしますが、
より詳しく書かれている話題もあり、併せて読むことでさらに奥山清行さんというデザイナーを深く理解できることでしょう。
以下はKEN OKUYAMA DESIGNの外部サイトです。
奥山清行さんのデザインの世界が次々に新たな展開を見せてくれています。
- 山形工房 KEN OKUYAMA CASA
- メガネ販売サイト KEN OKUYAMA EYES
近年、奥山清行さんが手がけたプロダクツ(製品群)です。ごく最近('14.12.15時点)ではYANMERのクルージングボートや、
革新的な外観とリモート機能を持つトラクターのコンセプト、スーパーこまちを代表とする鉄道、
そして外部取締役に就任されたYAMAZAKI MAZAKの洗練されたマシニングセンタ(切削加工機)などが見受けられます。
以下はそれを抜粋し転載します。(製品名をクリックすると、詳しい情報が記載された外部ページが開きます。)
- YANMER Y-CONCEPT トラクター YT01
- YANMER Y-CONCEPT ボート X39
- JR北陸新幹線 E6系 スーパーこまち
- JR北陸新幹線 E7/W7系
- YAMAZAKI MAZAK マシニングセンタ HYPER VARIAXIS 630
最後に、GQのMEN OF THE YEAR 2014というテーマで、「奥山清行さんのクリエイションにとってたいせつな5つの要素とは?」という記事があります。
ヤンマーの 新世代コンセプトトラクターYT01のデザインの時の話題やピニンファリーナでのデザインで煮詰まった時のこと。
これまでの生涯でお世話になった2人についてやTEDを聴講して感じたこと。
果ては今、奥山清行さんがハマっていることなどが読み取れます。
今の奥山清行さんの等身大が端的に現れた記事なのではないでしょうか。