見直しに頼らないという考え方
「テストでは計算を見直しましょう」とよく言われます。確かに、それができればミスに気づけるチャンスは増えます。
しかし実際には、テスト本番で時間に余裕を持ってすべての問題を見直せるケースは多くありません。特に、限られた時間で多くの問題に取り組まなければならない場合、見直しの時間を確保すること自体が難しい。
さらに、子どもによっては「あとで見直せばいいや」という意識が無意識のうちに働いてしまうと、最初の計算を雑に済ませてしまうケースもあります。こうなると、当然ながらミスの確率は高くなりますし、本来得点できるはずの問題で点を落としてしまうことにもつながります。
そこで重要になるのが、「計算は一発で正解するものだ」という意識づけです。
計算ミスを減らすための習慣づけ
まず、お子さんには「見直しに頼らず、最初から正確に計算する」という姿勢を身につけさせることが大切です。
これは一朝一夕でできるものではありませんが、日々の学習の中で意識させ、少しずつ習慣化していくことが可能。
具体的には、次のような練習方法が効果的です。
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日々の計算練習で、「この1回で正解する」という緊張感を持たせる
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問題を解いたあとに「本当に合っているか」と自分の中で再確認する癖をつける
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解き終わったあとに「間違い探し」のような形で見直すのではなく、「最初に正解を出す」ことをゴールにする
こうした取り組みを繰り返していくうちに、お子さんの中に「計算は一発勝負」という感覚が自然と根付きます。
一発勝負が生む自信とスピード
一発で正解を出す練習は、単にミスを減らすだけでなく、お子さんの自信にもつながっていきます。「できた」という成功体験の積み重ねが、テスト本番でも落ち着いて解く力につながるのです。
さらに、一問一問に集中して取り組む癖がつけば、解答スピードも少しずつ向上します。
早く、そして正確に解けるようになれば、結果として見直しに充てられる時間が生まれることもあります。ただし、それは「おまけ」くらいの気持ちで良いでしょう。
親としてできること
親としては、子どもが「またミスした…」と落ち込んでいるときに、叱るのではなく、「今回は何が原因だったかな?」と一緒に振り返る時間を作ってあげるとよいでしょう。そして、「次は一発で正解するつもりでやってみようね」と前向きな声かけをすることが、お子さんの励みになります。
見直しに頼らず、「一度で正確に解く」ことを目標とするこのアプローチは、すぐに結果が出るとは限りません。
しかし、地道に続けることで、お子さん自身の中に確かな手応えが生まれ、安定した得点につながっていきます。
最後に
計算力は、すべての算数問題の基盤となる力。だからこそ、「一発で正確に解く」という習慣を身につけることは、お子さんにとって大きな武器となります。この地道な訓練の積み重ねが、いずれは自信となり、入試本番のような緊張した場面でも、落ち着いて力を発揮する助けとなるでしょう。
親としては、「子どもは日々成長している」と信じて、焦らず、長い目で見守っていってあげてほしいと思います。
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