＜知っていて良かったこと＞
以前の私は人前で話をするとき、
話す内容を失敗しないように何度も何度も
必死で頭の中で覚えようとしていました。
それで上手くできたかといえばそうでもありません。
緊張で声は震える、内容は棒読み、最悪は内容を
忘れてしまう、という失態ばかり。
その後、話し方を練習する機会にめぐまれ、
話す前に緊張を解く方法を
教えてもらうこともできました。
話をする前は、人と何でも良いから話をする、
口や顔を動かし声を出す、話す内容をイメージと
してつかむようにする。
それらを実行するとあれほど緊張していたのが
随分緊張感が軽くなってきたのです。
知らないのと知るのとでは雲泥の差がありますね。
先日、電車の4人がけの席に座っているとスーツ姿の
青年が私の隣に座りました。
しばらくしてカバンからファイルを取り出し何度も
何度もファイルを見ています。
気になって見ていると就職活動の最中だったようで
ファイルには大手企業の名前と志望動機が書かれていました。
そのうち、彼の横顔から汗がでてきて
何度もハンカチで汗をぬぐいだしたのです。
「もしかして今から緊張している？大丈夫？」
と内心思いました。
そんなに根をつめて読んでもだめだよ、
誰かと無駄話をするか、カラダを揺らして緊張感を
和らげるとよいよ、イメージで覚えようよ・・。
声をかけてあげようかどうしようか・・と
考えているまに私の降りる駅に着き、
後ろ髪を引かれる思いで電車を降りました。
私が彼の面接が気になったのは、
緊張を緩める方法を知っているからだけでなく、
実は、私は就職活動の面接で今でも忘れがたい
苦い経験があるからです。
彼の就職活動が上手くいくように祈るばかりです。
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