『祇園(ぎおん)小唄』

作詞〜長田幹彦(1887〜1964)


一、

月はおぼろに 東山

霞(かす)む夜毎(よごと)の かがり火に

夢もいざよう 紅ざくら

しのぶ思いを 振袖(ふりそで)に

祇園恋しや だらりの帯よ



二、

夏は河原の 夕涼み

白い襟あし ぼんぼりに

かくす涙の 口紅も

燃えて身をやく 大文字

祇園恋しや だらりの帯よ



三、

鴨の河原の 水やせて

噎(むせ)ぶ瀬音に 鐘の声

枯れた柳に 秋風が

泣くよ今宵も 夜もすがら

祇園恋しや だらりの帯よ



四、

雪はしとしと まる窓に

つもる逢瀬(おうせ)の 差向い

灯影(ほかげ)つめたく 小夜(さよ)ふけて

もやい枕に 川千鳥

祇園恋しや だらりの帯よ







◇祇園恋しや♪と 春夏秋冬

 だらりの帯も 季節を問わずですね音譜照れ